日本に定住した留学卒業生とその子達から見る日本の多文化共生の実態
Project/Area Number |
23K02182
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐藤 友則 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (10313868)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 早雪 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (20186307)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 留学卒業生家族 / 留学―就労―育児&教育 / 日本在住選択 / 高度外国人材むけ施策 / 子どもへの親の母語教育 / 差別傾向 / 外国人受入れのメリットの明示 / 日本語教育の重要性 |
Outline of Research at the Start |
主にアジア諸国からの「留学卒業生家族」に焦点を当てて、21世紀初頭という時代性のもとで、異郷・日本における留学―就労―育児・教育というライフコースを経るなかでどのような困難をどのように克服して日本在住を選択したのかを解明し、彼らの視点から高度外国人材が必要とした/する支援や施策を模索する。 そのために50件(世帯)ほどの郵送アンケート調査とそのうち20件(世帯)ほどの留学卒業生家族へのインタビュー調査を行い、 ①日本の留学生政策の成功要因の把握 ②21世紀初頭の日本の多文化共生施策への評価・課題と支援ネットワーク、③留学卒業生一世から二世へのエスニシティの継承と受容のあり様を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的としてあげた「日本の留学生政策の成功要因を把握する」「日本の外国人政策・多文化共生施策について新たな指摘や評価を行う」「新しい移民形態とそれに必要かつ適合する政策を、当事者の経験をもとに考究する」を明らかにするため、2023年度は以下の研究活動を行った。 まず、綿密な文献調査を行い、他の研究活動や調査結果の情報を得た。そのうえで、研究計画①-2 ア)にある「「留学卒業生」とその家庭を約50組抽出し、2023年前半に作成するアンケート用紙を送付する」に着手した。まず、子どもの養育を行っている留学卒業生家族50組を抽出し、さらに結婚しているが子どもがいない、または未婚の者も対象に加え、計158名を抽出した。アンケート作成については慎重に内容の検討を進めた結果、質問項目決定が2024年初頭になり、1月4日からアンケート依頼を開始した。このような遅れはあったが回収は順調に進み、計画では「2024年度末までに回収・入力し、その結果に対し統計処理を含めた詳細な分析を行う」とあるが、2024年5月22日時点で77名の留学卒業生から回答を得ており、さらに6名の日本人配偶者、8名の外国人配偶者より回答を得ている。 次の研究計画①-2 イ)にある「約20組の留学卒業生家庭を抽出した後、2023~5年度に、研究代表者が長野県在住の対象家庭を中心に、分担者が大阪府の対象家庭を中心にインタビュー調査を実施」については、現在まで松本・東京在住の留学卒業生2名、大阪近辺在住8名を対象にインタビュー調査を実施している。そのうち、家族については、大阪2組で実施できた。機材の問題でインタビュー録音ができなかったケースもあるが、できたケースに関しては書き起しを実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年以降に発表された本研究に関わる論文、発表要旨および刊行された書籍は多く、それらに当たることで、多くの知見を得ることができた。 次に、アンケートの質問項目作成については、今後の研究成果を左右するものであるため慎重な議論を重ね、やや完成までに時間を要した。しかし、同時進行で進めていたアンケート対象とする留学卒業生の抽出は順調に進んだ。そして項目確定後は速やかにメールを用いて抽出者にアンケート回答を依頼し、1,2月には集中的に追加の依頼メールを送る、未回答者に個別に依頼する等の活動を行った結果、2月末に60名を超える回答が得られた。その後、3,4月にも回答が戻ってきており、現在は77名が回答、回収率は48.7%と、ある程度の成果を上げている。回答内容も研究目的の考究に資する質が高い内容が多く、特に自由回答に興味深い書き込みが見られる。 インタビューに関しては、2023年度はそれほど多くの実施は計画しておらず、2月の大阪での複数回のインタビューが最も大きな活動だった。その後、松本在住および東京から松本に来た留学卒業生に実施したことで、現在の10名に達している。ただ、子どもも含めた家族へのインタビュー実施はなかなか難しく、2名に留まっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、アンケートの未回答者への個別依頼を6月末まで継続する。最終的に80名以上、回収率50%以上を目標とする。 次に、得られたデータをSPSSを用いて詳細に分析していく。年齢、育児経験者と未経験者、今後の日本在住の意向、日本人との交流度合い等の項目ごとのクロス集計を行う他、重要項目に関する統計処理を実施していく。 インタビューに関しては、松本在住の留学卒業生へのインタビューを着実に進めると同時に、東京に多く住んでいる子育て経験がある留学卒業生へのまとまった調査を複数回に分けて実施する。人数全体で25名、うち家族へのインタビュー10件を目標に実施していく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)