Project/Area Number |
23K02211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
岩井 八郎 摂南大学, 現代社会学部, 教授 (80184852)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ライフコース / 教育歴 / 計量歴史社会学 / 戦時体制 |
Outline of Research at the Start |
本研究は全国規模の社会調査によって蓄積されてきた数量的な職業経歴データを用い、5年区分の出生コーホートごとに教育歴別の人生パターンを詳細に視覚的に提示し、その比較から日本人男女のライフコースの長期的変動を説明することを目的としている。とくに戦時体制下において大きく変容した日本人男女のライフコースが、高度成長期以後の日本社会でいかに日本型と呼ばれるパターンに変容して定着したかを明らかにする。そして1990年半ば以降の変化を検討し、その定着の結果が21世紀になって求められている変化を困難にしてきたかを示した上で、少子高齢化が急速に進む21世紀における日本人と日本社会の課題を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで蓄積されてきた数量的な職業経歴データを用い、年齢ごとの職業的地位を再構成する作業を行なった上で、5年区分の出生コーホートごとに教育歴別の人生パターンの詳細な分析結果を視覚的に提示、そして、その比較から日本人男女のライフコースの長期的変動を説明することを目的としている。具体的には現在利用可能な、男性では1886年出生から1985年出生まで、女性では1913年出生から1985年出生までのデータに基づき、以下の3つの転換期に焦点を当てた探索的、記述的な分析を行ってきた。第1の転換期は、戦時体制下の1940年代前半である。兵役(男性)や軍需産業への動員(男女)が戦前の人生パターンをいかに変容させ、戦後へと転換させたかを明らかにしてきた。第2は、1970年代前半の石油ショック期である。流動的な高度成長期の人生パターンから、標準化された性別役割分業型の定着への変化を明らかにした。第3は、1990年代半ば以降の「失われた10年」と称された時期である。戦後の日本社会で安定的であった人生パターンの崩れを人生段階ごとに検討してきた。本年度の研究においては、3つの転換期を経て、日本人の人生パターンがいかに変化してきたかについて、その全体像を明らかにし、国内外の学会で報告した。国際社会学会では、日本人女性のライフコースの長期的変動を報告した。また日本社会学会では研究方法の意義と限界を提示した上で、3つの転換期を中心に研究成果を説明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果を2023年にメルボルンで開催された第20回国際社会学会と立正大学で開催された第96回日本社会学会において報告した。国際社会学会では、家族研究の部会においては報告を応募して採択され、「女性のライフコースの長期的変動」について視覚的に分析した成果を国際的に発信することができた。社会学会では、公募部会「計量歴史社会学の現代的展開」に応募して発表が採択され、「ライフコースの長期的変動ー計量社会学研究の展開」と題する報告を行った。これまで実施してきた研究方法と成果のエッセンスを紹介することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年7月にポルトガルのリスボンで開催される第5回国際欧州社会調査会議(5th International European Social Survey Conference)では、すでに報告することが決まっている。2023年度の報告では扱っていなかった人生パターンの中でも高齢期への移行に関して、日本的特徴についてデータ分析の結果を紹介して、ヨーロッパ諸国との比較を試みる。また2024年11月にスイスのローザンヌ大学にあるライフコース研究センター(LIVES Swiss Centre of Expertise in Life Course Research)で開催される国際研究集会での報告に応募する予定である。当センターは現在、国際的にライフコース研究を推進しているので、これまでの研究成果を報告できる良い機会になる。 その他には、すでに2015年のSSM調査データが公開されている。発表された研究成果を見る限り、職業経歴データを暑かった研究が乏しい。従来の分析手法によって分析を行う価値は十分あると判断している。
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