The Marginalised Families in Modern Britain: 'Parent-Child Separation' through Intra-imperial Migration.
Project/Area Number |
23K02299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
吉村 真美 (森本真美) 神戸女子大学, 文学部, 教授 (80263177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 伸子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (00192675)
中沢 葉子 (並河葉子) 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10295743)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 家族 / 家族史 / 帝国 / イギリス帝国 / 親子関係 / 労働史 / エスニシティ / 人種 / 移民 / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
コロナ禍下で顕在化したエッセンシャルワーカーの国際移動は、地球規模でのケア労働や家事労働の偏在を生んでいるが、この現象は19-20世紀前半の帝国主義時代に源流を持つ歴史的課題である。近代イギリス帝国では、本国労働者階級や植民地の被支配民などの周縁的階層で、就労のための女性や子どもの単身移動がみられた。本課題はその結果生じた若年の子と親が遠く離れて生きる<親子離隔>という状態の歴史的解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
近代イギリス帝国では、本国の白人労働者階級や帝国植民地の被支配民に代表される周縁的階層において、就労他を目的とする女性や子どもの単身移動がしばしばみられた。その結果として生じたのが、若年の子とその親が遠く離れて生きる<親子離隔>という状態である。本研究は帝国史とグローバル・ヒストリーの有機的接合を念頭におき、①近代イギリスにおけるさまざまな親子離隔の実相を歴史学的な手法で明らかにするとともに、②このテーマを学際・総合的な子ども学研究としての枠組みでさらに展開することを目的とするものである。 令和5年度には、本課題の起点となった令和4年度実施のシンポジウム(2022年11月19日、日本ヴィクトリア朝文化研究学会、2022年度大会において開催)をもとに、本研究課題の意義を提唱する論考をメンバーそれぞれが発表した。また森本は、世界子ども学研究会の紀要に本課題の趣旨についての論考を寄せて、子ども学研究としての意義と方向性についての意義を示した。 それぞれの分担研究については、森本はイギリス下層労働者階級の要保護少年と家族について、並河は西インドとシエラレオネにおける解放奴隷の子育てと家族構築について、奥田はアフロカリビアン女性のイギリス入移民と家族再統合について、研究動向の把握と史資料収集のための準備作業につとめた。 チームとしては、2023年8月8日、2024年3月9日に神戸で全員出席の研究会を開き、各自の研究成果と進捗状況の報告と研究動向についての情報交換を行い、問題関心の相互理解と共有につとめた。また最終年度における研究総括の方向性についても、具体的な開催方法や時期について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請に先だって予備的な研究会や公開シンポジウムを複数回にわたって重ねており、採択以降の研究についても見通しが立っていたため、当初の予定に沿って初年度の令和5年度にもおおむね順調に進展した。 個々の分担研究については、森本は19世紀の要支援少年の処遇について親子関係という新しい観点からの分析のための史資料の収集を進めた。並河は史料整理が進みつつある「解放アフリカ人」の資料をもとに、アフリカ人の家族の実態と親子関係の把握に着手した。奥田は研究の中心をより子どもの問題にシフトさせ、特に1960年代以降の移民の子どものイギリス学校の(不)適応問題と、それを問題化するイギリス社会の言説の分析にあたった。 海外出張の経費が円高と物価高騰のため当初予定よりかなり高額になることが予想されるため、海外機関の管理下にある関連史資料の所在とオンライン利用の可否を含む確認作業に注力した。この作業を慎重に行ったため、若干の予算執行の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究推進予定のままで遂行する。 令和6年度には研究協力者の水谷智を、2024年7月実施予定の年度第1回研究会に招聘し、英領インドの混血児処遇について親子関係を中心にした分析による知見提供を得る。令和6年度末もしくは令和7年度夏に、世界子ども学研究会において公開シンポジウムを行う予定となっているため、その企画立案も進める。各メンバーの分担研究の成果についても、本課題研究会や外部学会・研究会において中間報告を積極的に行う。 海外出張については3名とも令和6年度に実施予定であるが、イギリスの各種国立機関で頻発しているサイバー攻撃による長期間にわたるデータベースの凍結が深刻な問題となっている。渡航費、現地物価高騰や円高などの経済情勢も、限られた予算の執行には大きく影響するため、延期する可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)