Project/Area Number |
23K02320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
村上 博文 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (30612139)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 子ども主体 / 保育実践 / 発達 / 前頭葉機能 / 高次神経活動の型 / 保育 / 高次神経活動 |
Outline of Research at the Start |
「21世紀型保育」という言葉に象徴されるように、国内外にて保育のあり方は転換期を迎え、子ども主体という観点から「質」の高い保育の実現に向けて研究がなされつつある。これまで保育のカリキュラム等と子どもの発達に関する量的研究や保育の実際を観察する質的研究はなされてきた。しかし、日本特有の「実践」という枠組みで子どもの育ちを検証し、保育の「質」を検討する研究は十分になされてきていない。本研究では、子ども主体の保育に取り組む保育園等の実践に注目し、前頭前野機能(高次神経活動の型)の発達について調査する。その結果から、子どもの育ちを支える子ども主体の保育の条件及び実践モデルを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子ども主体を目指した様々な保育実践が子どもの発達にあたえる影響について、大脳前頭葉における高次神経活動の型を指標に探ることを目的としている。 2023年度は、調査園の選定するためにフィールドワークを実施した。その結果、予定していた自然体験重視の実践に取り組んでいる園、新たにプロジェクト型保育を実践しているI園(11月、3月)、保育の見直しをしているT園(2月)、園庭改造に取り組んでいるH園のうち、園庭改造に取り組んでいる園を除き、フィールドワークによってカリキュラムと子どもの経験について調査した。さらに、快適さや便利さという点から昭和の時代における生活が残っている離島のM園にある園(11月、2月)を新たな調査園として加えた。その結果、各園において共通している点として、例えば午前中における活動としてクラス全員で行うものもあるが、多くは園庭や保育室内で子どもが遊びを選んで自由に過ごす活動が多いことがわかった。また各園における違いは、その比率にあった。子どもの経験以外の特徴として、保育環境(人的、物的)については、今後、より詳細に分析していく予定である。 それと同時に、予備調査として、前頭前野機能の発達を測定するためにGo-Nogo課題による調査を実施した。その結果、年長児では「活発型」である子どもの割合がI園18.1%、T園33.3%、M園40.0%であった。この数値は、これまで調査してきた自然体験重視のK園54.2%、園庭遊び中心のN園53.8%には3園ともに及ばないが、2園はじゃれつき遊びで有名なさつき幼稚園の24.1%より高い数値になっている。実践のあり方が前頭前野機能の発達に影響している可能性があることから、さらなる調査を積み重ねていく予定である。それと同時に、各園の保護者を対象に子どもの生活調査も実施しており、その結果との関連を探っていくのも今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究をふまえ、開始年度前から調査協力園を検討していたことから、スムーズに研究を開始することができている。また予備調査の段階ではあるが、前頭前野機能の発達を測定するためにGo-Nogo課題による調査も、研究協力者とともに20年以上も前から対象は小学生と異なるが、継続的に実施してきているゆえに、実際の調査も大きな問題もなく行なわれている。課題は、離島の園を1つ調査園として加えたために、当初予定していた園庭改造に取り組んでいる園におけるフィールドワークは実現できなかったので、2年目の課題としている。さらに研究計画もおおきな修正はなく、子ども主体の保育実践(園における子どもの経験)と園外における生活経験の2つの要因から、Go-Nogo課題を指標に、前頭前野機能の発達を明らかにするという研究が実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度における子ども主体の保育を目指して取り組んでいる日本全国の保育園等をフィールドワークし、そこにおける保育の実際と子どもの経験を明らかにすることが大きな目的であった。それゆえに、Go-Nogo課題を用いた前頭前野機能の発達に関する調査や子どもの生活調査は予備調査の段階にとどまっている。その結果をふまえ、今年度は各園において当初予定していた調査を、1年に2回、実施する予定である。 また研究状況にもよるが、現在の調査園以外にも協力園として依頼があることから、フィールドワークを通じて、調査園を増やすことも検討している。それによって、より横断的な調査が可能となり、保育実践の特徴と前頭前野機能の発達に関する貴重なデータが得られる可能性があると考えている。 さらに結果の分析においては、子ども主体の保育実践(園における子どもの経験)と園外における生活経験の2つの要因から、Go-Nogo課題を指標に前頭前野機能の発達を明らかにするのかについて、より詳細な分析方法を考えると同時に、課題なども明らかにしていき、2025年度の研究につなげていきたい。 なお調査園が増える可能性があることから、研究体制として、Go-Nogo課題を使った測定ができる研究協力者を新たに訓練し、加えることも検討している。
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