| Project/Area Number |
23K02340
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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| Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤井 康之 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (40436449)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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| Keywords | 近森一重 / 美的陶冶 / 自律的な音楽 / 基礎指導 / 戦前期~戦後期の連続性 / 小学校音楽 / 中野義見 / 戦後期の小学校音楽 / 戦前期との連続性 |
| Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、中野義見(1897-1969)と近森一重(1903-1976)を主たる研究対象とし、戦後期における彼らの小学校音楽の理念と実践の特質を検討することである。その際に、①戦前期(特に国民学校期)との連続性、②自律的な音楽の影響の二つの視点から検討する。 このことを通して、現在の小学校音楽がいかに形成され、いかなる意義と課題があるのか、その一端を明らかにする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、日本教育方法学会第60回大会において、戦前期から戦後初期にかけての近森の音楽教育論について発表した。 近森に関する先行研究には、本研究と同じく戦前期から戦後期までの近森の音楽教育論を体系的に研究した島田(2021)があるが、「学習者を中心とした教育」の側面のみが強調され、彼の音楽教育論の顕著な特質である「美的陶冶」にはいっさい言及されていない。そこで、近森の戦前期から戦後初期における音楽教育論の特質を、「美的陶冶」の視点から再検討することを目的とした。 昭和初期の近森は、「国民学校令」(1941)まで小学校音楽の目的と方法を規定した「小学校令施行規則教則第九条」(1900)の文言にある「美感ヲ養ヒ徳性ノ涵養ニ資スル」に批判的な姿勢を示し、小学校音楽の目的を「徳性ノ涵養」のために手段化された「美感の養成」ではなく、「美感の養成」それ自体を目的とする「音楽の美的陶冶」にあることを強く主張した。その主張の背景には「自律的な音楽」の影響があった。近森が提唱した方法論はリズム、メロディー、ハーモニー等を徹底的に子どもたちに習得させる「美しく正確」な指導であった。「美しく正確」な指導を通すことによってはじめて、子どもたちが「音楽美」を感得することが可能になるという考えを、近森が持っていたからである。そのためには、楽譜をきちんと読み込める「基礎訓練」がきわめて重要となる。この指導が積み重ねられることによって、最終的に「美的陶冶」が実現する仕組みとなっていた。昭和初期に形成された近森の「音楽の美的陶冶」と「美しく正確」な指導は、小学校音楽の大きな制度的転換である「国民学校令」、自身が関与した学習指導要領音楽編試案(1947、1951)においても一貫して主張し続けた。 以上から、近森が現在の小学校音楽のあり方を水路づけた人物の一人として位置づけられることを示唆した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度から史資料の調査・収集を着実に行ってきたことから、2023年度には中野義見の戦前期から戦後初期にかけての楽譜指導論を、2024年度には近森一重の戦前期から戦後初期にかけての美的陶冶論をそれぞれ学会で発表した。このことから、本研究課題については、おおむね順調に遂行している。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度も、引き続き中野義見と近森一重の史資料の調査・収集を進める。さらに、これまでの学会発表での成果を論文としてまとめ公表することが今後の計画である。論文としてまとめていく中で、中野と近森を小学校音楽の歴史の中でどのように位置づけていくのか、音楽教育史研究だけに限定せず、広く教育学、歴史学等の研究を参照しながら、この課題に取り組んでいく。
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