Project/Area Number |
23K02362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山元 薫 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00755944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 基貴 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80512532)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 知的障害 / 学習評価 / ラーニングマップ / 国語、算数・数学 / カリキュラム・マネジメント / システム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、知的障害のある児童生徒のための「学習評価」を可能にするシステムを構築することである。そこで「ラーニングマップ」(山元・笹原、2020)を用いて、学習評価できるシステムを開発し、普及させ、その効果を検証する。研究の手順は、①「ラーニングマップ」を用いた学習評価の確立、②「ラーニングマップ」を用いたシラバスのシラバス・個別の指導計画・授業づくりをつなぐツール「えるnet」の開発、③「えるnet」の啓発と普及である。この①②③を構築し実践することで、知的障害のある児童生徒の学習評価を教育課程の改善、授業改善、児童生徒の自己の学びの連続性を可能にすることを期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究Ⅰ:「ラーニングマップ」を評価規準に活用した学習評価の確立 知的障害教育における「ラーニングマップ」を評価規準に活用した学習評価の方法を確立するため、知的障害特別支援学校・知的障害特別支援学級と共同で学習評価の方法を開発し実践しその効果を検討した。結果、判断基準(評価規準)を「評定」とする方法をとる場合は、知的障害の程度が比較的軽度の児童生徒を対象とした場合に有効であること、「質的記述」とする場合は、形成的評価も指導者間で共通理解した知的障害の状態が比較的重度の児童生徒に適していることが分かった。 研究Ⅱ:「ラーニングマップ」を評価規準に活用したシラバスの作成と個別の指導計画、授業との連携システム「えるnet」の構築 ①Excelによるシステム開発:「ラーニングマップ」を評価規準として、シラバスと個別の指導計画、授業、学習指導要領の目標と内容で、結ぶことを可能にし、知的障害のある児童生徒の一人一人の学習状況を把握できるシステムの開発をする。本年度は、ペーパー上で各書式を整え、実際に作成し、教員の活用の有効性について検討を行った。合わせて、Excelを用いて、年間指導計画、個別の指導計画、単元カード、授業カードのエクセルシートを作成に、それぞれが連関するように作成した。エクセルで作成してシステム化することにより、作業効率が図れること、目標と指導、評価の一体化を図ることが可能になること、教員間での共通理解として有効であること等が示された。反面、システムの脆弱性、ICTに不慣れな教員の技術支援が課題としてあげられている。 ②Excelの脆弱さへの対応としてアプリケーションの開発:アプリケーションにすることで、連関動作のスムースさ、記録データの容量の拡大、年度ごとに成績の管理を可能にした。まだ、実務的な取り組みは進んでいないため、今後、実務的な作業の中で検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究Ⅰ:ラーニングマップ」を評価規準に活用した学習評価の確立 令和5年度は、ラーニングマップを活用した学習評価の考え方、手続きを確定し、知的障害特別支援学校で実践しその効果検証を実施した。その際、実践する教員への学習評価の意義と方法の理解の推進と周知に時間を要した。学校を対象として研修を重ねる必要があった。また、学習評価のサイクルが6カ月単位となるため、研究の依頼、方法の説明、実施、検証にも時間を要したため、研究の進行が遅れてしまった。加えて、「ラーニングマップ」を評価規準として活用した年間指導計画(シラバス)を作成し、個別の指導計画、単元計画、授業づくりに活用する実践を通して効果を検証する際、知的障害教育において学習指導要領の「基準性」の理解や「履修」という概念の理解を推進するのに時間が予想以上にかかったため、実際のカリキュラムシステムの運用に至るまでに時間がかかってしまった。 研究Ⅱ:「ラーニングマップ」を評価規準に活用したシラバスの作成と個別の指導計画、授業との連携システム「えるnet」の構築 ①Excelによるシステム開発:Excel(2019)を活用して、年間指導計画、授業づくりに関する書式(単元カード、授業カード)、個別の指導計画を連関させたシステム(version1)を完成させた。研究協力者に活用してもらい、効果と課題について検証している。 ②Excelの脆弱さへの対応としてソフト(学習状況管理システム)の開発:version1の脆弱さを解決するために、アプリケーションの開発に着手している。ソフトを開発するにあたって、ラーニングマップのソフト化や個人仕様と学校単位仕様とするのかによって、デザインが異なるため、ソフト開発に時間を要している。今後、研究協力者と、学校の基盤仕様に適応することや、一人一人の学びを効果的に記録管理できる仕様について検討をする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Ⅰ:「ラーニングマップ」を評価規準に活用した学習評価の確立 これまで、知的障害特別支援学校、知的障害特別支援学校での「ラーニングマップ」の授業づくりプロセスにおける実態把握や教材開発への活用、評価規準に活用した学習評価等の有効性が検証された。引き続き、知的障害教育における学習評価の理解を深める研修もしつつ、今後は、年間指導計画を「ラーニングマップ」を評価規準として活用したシラバスとし、教育計画、授業、個別の指導計画を連関させたカリキュラム・マネジメントの効果を検証する。そのために、①研究協力校における学習評価に関する研修の実施とシラバス活用に関する質問紙調査を実施し、効果を検証する。②カリキュラム・マネジメントの先進校の視察をし、システム開発に活用する。 研究Ⅱ:「ラーニングマップ」を評価規準に活用したシラバスの作成と個別の指導計画、授業との連携システム「えるnet」の構築 ①Excelによるシステム開発:研究協力者とともに、脆弱さとして明らかになった、操作性の不具合、容量が重くなることによって発生する不具合、教員のICT活用の不得手さについて、共同研究者と共に、介入し、version2を開発する。 ②Excelの脆弱さへの対応としてソフト(学習状況管理システム)の開発:Excelによるversion1の開発を受けてソフトの開発をさらに進める。現在、Excelデータをもとにソフトのデザイン(学習管理システムversion1)のデザインができているので、協力者に活用を依頼し、操作性、学習管理面、学校での活用の可能性について調査を実施する。調査は、質問紙調査を実施し、必要に応じて学校を訪問し、管理システムの各学校への活用の可能性について、管理職にインタビュー調査を実施する。
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