Project/Area Number |
23K02363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
中村 僚志 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60965804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神門 大知 愛知教育大学, 教育学研究科, 准教授 (40965513)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 図画工作科の授業 / 教師作品の活用 / 図画工作科の授業展開 / 図画工作科の授業評価 |
Outline of Research at the Start |
小学校図画工作科の授業において、単元導入時に教師作品等を提示して、そこから児童が必要な知識や技能、材料や作品に対する思いや願いをもたせることが主体的・対話的で深い学びへと向かうための一つの手だてである。しかし、現在の小学校現場では、美術科の免許を有している教員の減少や教材研究の時間が確保できない等、様々な課題があり十分な準備がされていない現状がある。 本研究では、教科書題材をはじめ、これまで小学校で実践されてきた教師作品とその提示による授業方法を収集して、その意義やより主体的・対話的で深い学びに有効な指導法や評価方法を分析し、学校現場で活用しやすい指導と評価方法の開発を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度、2023年度の2年間にわたって、図画工作科の授業の現状と課題を把握するために、愛知県三河地区262校へアンケートを実施し131校から回答を得た。その結果、図画工作科の専科教員が「いる」学校が、33校(25%)。「いない」が、98校(75%)だった。また、美術科の免許を有している教員が「いる」学校は、58校(44%)。「いない」が、73校(56%)と、半数以上の小学校には、図画工作科の専科教員と美術科の免許取得者がいないことが分かった。 次に、各学年で扱っている教科書題材について調査した。その結果、低学年と中学年は、教科書題材を多く扱っている傾向にあることが分かった。学年が上がるにつれて、その数は減少していく傾向にある。その理由は、学校独自の題材があったり、一つの題材に時間をかけていたりすることだと分かった。 さらに、教員が授業をする上で困っていることの多くが「準備をする時間がない」「指導や支援の方法がよく分からない」「評価の仕方が、よく分からない」と回答していた。 こうした中で、本研究では、授業の導入等で活用できる教師作品とその提示による授業展開を記した指導計画書の作成。教員が分かりやすく使いやすい評価規準表の作成を行い、それらを学校現場で実践していく。 また、教師作品と指導計画書、評価規準表が約60題材準備できたところで、それらを全国の教員や児童が見ることができるようにWebシステム開設する。そうすることで、学校現場で活用して、どの教師もより充実した指導と評価の一助となることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、小学校5年生題材「コロがるくんの旅」(開隆堂)の教師作品、指導計画書、評価規準表のサンプルを作成して、K市立A小学校2クラスで実践した。1組の担任は、教職経験10年目。体育科の免許を有している。2組担任は、教職2年目で理科の免許所有者。いずれも図画工作科の指導について不安をもっている。その2人とともに協議しながら内容等を検討した。授業は担任が行い、大学教員はサポートとして児童の指導や教員への助言を随時行った。授業は教師作品を使った導入から始まり、指導計画書に沿って毎時間進めていった。授業終了後には、担任に教師作品を使った導入や指導計画書、評価規準表についての意見をアンケートとして依頼し、回答をまとめて成果と課題を明らかにした。同様にK市立B小学校では、小学4年生の木版画、小学5年生の彫り進み版画の題材において実践した。 また、Webシステム開設に向けて、日本写真印刷コミュニケーションズ(株)に、立体作品24点をマルチアングルビューアを使って撮影しデータ化した。このデータを活用すれば、作品を360°全方向から作品鑑賞ができるようになる。さらに、Webシステムを設置する準備も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、立体作品24点と平面作品40点のデータベース化を行う。また、各題材の指導計画書等と評価規準表を完成させる。これらをWebシステムに加えたうえで実験的に開設する。 そして、1年間は地域を限定して図画工作科の授業での活用を依頼して、実際に授業を行ってもらう。授業後には、担任や児童に、アンケートを依頼する。Webシステムの使いやすさや改善点等について、率直な意見を求める。こうして得たものをまとめ、指導計画書や評価規準表を改善していく。また、新しい題材の要望があれば、教師作品と指導計画書を追加していく。こうして、内容の充実を図ったところで、全国展開していきたい。 2年後には、日本全国いつでもどこでも図画工作科の授業で活用できるようにすることで、図画工作科の授業での学びの充実を図るとともに、教師の負担軽減等につながっていくことが本研究の意義である。
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