自国及び多様な音楽文化の学習と音楽アイデンティティ形成の関係性に関する研究
Project/Area Number |
23K02386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本多 佐保美 千葉大学, 教育学部, 教授 (90272294)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2027: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 日本伝統音楽 / 諸民族の音楽 / 授業開発 / 音楽アイデンティティ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、自国の伝統音楽文化や世界の多様な音楽文化の学習を通して、児童生徒にどのような音楽アイデンティティが育まれるのかを実証的に検証することを目指す。 同じアジアの一国で自国の伝統音楽文化の学習に力を入れている韓国との比較を行うことで、日本と韓国とで自国の伝統音楽文化の学習と音楽アイデンティティ形成の関係にどのような共通点と相違点があるのかを明らかにする。 具体的には、日本および韓国において、伝統音楽や世界の様々な音楽を教材とする授業開発を小中学校の教員と連携し実践的に推進し、その成果と音楽アイデンティティ形成との関係性を明らかにすべく学習者への意識調査(アンケート調査)を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自国の伝統音楽文化および世界の多様な音楽文化を教材・題材とする授業開発・授業検証を研究の基礎とし、そこで育まれた児童生徒の音楽文化への意識や価値づけを音楽アイデンティティ形成の視点から考察し、その内実を明らかにすることを目的とする。 令和5年度には、主として次の3つの研究を推進した。 ①大学生を対象とする音楽アイデンティティに関する調査を、横浜および韓国のソウルにて実施した。調査は試行的段階であり、引き続き質問項目の精査を行っているが、その一部は8月にAPSMERアジア地域音楽教育学会(於:ソウル教育大学)にて発表し研究討議を進めた。②自国の伝統音楽の教材化と授業づくりに関して、韓国の小学校・中学校の音楽教科書を収集し分析を行うとともに、11月にソウルにて小学校、中学校の音楽授業を参観し現地の研究者と意見交換を行った。③日本伝統音楽および諸民族の音楽を教材とする授業開発として、千葉大学附属小学校にてフィリピンのカリンガ族の音楽であるトガトンを用いた授業開発を実施し、小学校教員との研究討議を進めた。 韓国の研究協力者とはオンラインにて随時、研究会を開催し研究討議を進めている。また、一方でハンガリーの音楽教育事情を検討し、我が国における自国の伝統音楽文化の教育について示唆を得るため、ハンガリー在住研究者が主宰する日本の音階とわらべうたに関する研究会に継続して参加しこちらも研究討議を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおよそ計画通り、おおむね順調に進展している。以前から継続して進めていた共同研究が滞りなく進捗していること、また、コロナ禍を経て海外との学術交流が再開したことから、研究は計画通り、おおむね順調である。 以前からの研究の継続性により、出版された著作をもとにそこで提案された授業開発内容を実際に検証授業を行って検証するという研究の流れがうまく進んでいる。所属する大学の附属小学校・中学校等教員との連携も、これまでの研究の蓄積によりうまく働いている。 海外の研究協力者との連携も、オンライン会議やアプリの即時翻訳機能等により特段の障壁なく行えている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、主として以下の3点について研究を推進する予定である。 ①コロナ禍で延期となっていたハンガリーにおける音楽教育研修に参加し、現地の音楽教育研究者と研究討議を行う。自国の伝統音楽文化を音楽教育の基礎として明確に位置付けているハンガリーの音楽教育の状況について、現地の保育所や小学校等の音楽授業を実地に参観することを通して、我が国の音楽教育への示唆を得る。 ②韓国との共同研究を継続する。8月に韓国の全州にて開催されるKMES韓国音楽教育学会に参加し、現地の音楽教育研究者との研究討議を進めるとともに、現地にて小学校・中学校の音楽教科書等、入手できる資料を入手し分析を行う。それをもとに、10月に東京の玉川大学にて開催される日本音楽教育学会にて、研究成果をまとめ学会発表を行う。 ③千葉大学附属小学校における検証授業を実施する。題材は日本伝統音楽または世界の諸民族の音楽の中から、今日的課題に合う内容を選び検証授業を実施する。附属小学校教員と研究討議し、児童生徒の音楽アイデンティティ形成の状況について考察を深めるとともに、その検証の方法として試行的な音楽テスト等の作成を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)