Project/Area Number |
23K02408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
後藤 郁子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 研究協力員 (60724482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末松 加奈 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (30825625)
井上 知香 愛知淑徳大学, 福祉貢献学部, 講師 (80710540)
齊藤 純 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (80827395)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 教育・保育の変革 / 形成的介入 / 変革のリーダーシップ / 実践者のエージェンシー / 教育の変革と創造 / 子どもエージェンシー / 教師エージェンシー / 変革の教育的リーダーシップ |
Outline of Research at the Start |
2020年の新学習指導要領に向けて中央教育審議会より様々な答申がなされたが、その主たる内容は、変化を見通せないこれからの時代において、新しい社会の在り方を自ら創造することができる資質・能力を子供たちに育むためには、教師が自ら指導方法を不断に見直し改善していくことが求められるというものである。即ち、教育現場(管理職や教師)に変革のエージェンシーを生む必要性である。本研究では、エンゲストロームの形成的介入を「新しい教育・保育の創造を可能にする『変革の教育的リーダーシップ』の在り方」と捉え追究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、管理職の形成的介入によって教育現場に変革のエージェンシーが如何に生み出されたかを検証することで、変革の教育的リーダーシップ機能の一端を明らかにしていく。形成的介入についてエンゲストローム(2010)は、決まった型など無いとしている。なぜなら、実践者と介入者が相互交渉を通し実践者の能動的解決を見出していくプロセスは、実践者と介入者が創り出すオリジナルな学習活動だからである。それを教育現場に当てはめれば、介入者である管理職自身が形成的介入の実践的研究者として、実践者(教師等)と相互交渉しながら一緒に追究する他に解は無いということである。これこそが本研究が目指す変革の教育的リーダーシップの理念である。 研究Ⅰでは、教育長が介入する校長会、副校長会及び主任級教師も加わる経営研修会をフィールドにし、教育長の形成的介入の実際を調査する。研究Ⅱでは、校長の形成的介入の実際と研究主任や教師の変容(主に校内研究会)を調査する。研究Ⅲでは、園長の形成的介入の実際と主任や保育者の変容(主にインフォーマルな研究会)を調査する。2年目と3年目に行う研究Ⅳでは、研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの分析・検証を行うと共に、その結果を基に調査書を作成し、校長・園長にアンケート調査を実施する。その調査結果に分析・考察を加え、新しい教育・保育の創造を可能にする「変革の教育的リーダーシップ」として示す。また、研究結果を纏めた冊子を作製して、教育現場に新しい介入観・介入法の羅針盤として提案していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究Ⅰの教育長の形成的介入では、校長会や副校長会、及び自ら設定した研修会を軸にした調査から、教育長の形成的介入は学校現場に変革のエージェンシーを生み出す相互交渉として捉えることができた。教育長の課題を「問う」ことで気づきを促し一緒に考えるという相互交渉は、校長と変革の方向性を共有し、校長が「自校では?」を考えて行く環境を創ることに繋がり「目的の共有と協同を目指した相互交渉」と捉えることができた。また、教育長の変革のヒントや方法などを見出す相互交渉は、校長に「聴く」「共有・共感」「良さを引き出す」などの意識を活発にし、学校現場に変革のエージェンシーを生むことに繋がった。 研究Ⅱの校長の形成的介入の検証は、校内研究会及び校内研究を牽引する研究部と各チーム(カリキュラムデザイン・授業デザイン・コラボデザイン)を軸に調査した。変革の意識を生む「思考ツール」を提示・導入するという形成的介入は、子どもの思考や躓きに対応した授業創りを通した変革の動機づけとなり、課題解決に向けた教師間の相互交渉を活性化させ、校長の「変革の動機づけと相互交渉を活性化させる介入」と捉えることができた。 研究Ⅲの園長の形成的介入の検証は、保育者たちの希望で2020年から設けられ、毎日行われる「勉強会」と、定例で開く「園内研修会(研究者が加わる)」を軸に調査した。園長の「見守る」というスタンスの研究会は、保育者間の実践交流や実践を基にした学び合いを活発にさせた。また、研究者による理論の注入は、実践の意味を客観的に捉え直すという思考ツールになっていた。 これらのことから、研究は概ね順調に進展していると捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1からⅢの結果を基に、新しい教育・保育の創造を可能にする「変革の教育的リーダーシップ」の実際として、日本教育学会や日本教師教育学会での「テーマ型分科会」や「ラウンドテーブル」を設定し、検証を加えていく。 また、研究ⅠからⅢの研究結果を基にアンケート調査書を作成し、校長・園長を対象に実施して更なる検討と客観性を加えていく。5月から6月にかけて調査書の作成とメンバーによる検討を加えた上で、お茶の水女子大学の倫理審査を受け、年内にアンケート調査を行う。その上で、新しい教育・保育の創造を可能にする「変革の教育的リーダーシップ」として示すと共に、教育・保育現場に還元し課題提起していく。
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