「歴史総合」におけるコンピテンシーベースの単元開発とルーブリック活用に関する研究
Project/Area Number |
23K02442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
田尻 信壹 目白大学, 人間学部, 教授 (10436800)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 地歴科「歴史総合」 / コンピテンシーベースの歴史単元開発 / ルーブリックの作成と活用 / 歴史授業の記録化と収集 / 学習(学修)成果の可視化 / 歴史授業の高大連携 / 歴史系博物館・資料館、史跡の歴史授業への活用 / アメリカの歴史授業 / コンピテンシー・ベースの単元開発 / ルーブリックの活用 / 歴史総合 / 歴史授業の臨床的分析 / 探究的歴史授業 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、高校地歴科の新科目「歴史総合」において、歴史の見方・考え方を育む授業方法とルーブリックの開発を通しての評価法の改善、および研究成果の高校現場への発信・普及をはかるための実践的研究である。本研究では、資質・能力論・学習スキル論、評価論、学力形成論の各観点から「歴史総合」を分析し、コンピテンシー・ベースの授業・評価モデルを開発して高校教員への発信と普及をはかることを目指す。そのため、本研究では、歴史の見方・考え方を育むための歴史授業とルーブリックの開発を通しての評価法の改善、コンピテンシー・ベースの授業を「歴史総合」で導入していくための教員に対する教育的支援の方法について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2018年3月改訂の学習指導要領地歴科の新科目「歴史総合」におけるコンピテンシーベースの単元を開発するとともに、評価のためのルーブリックを作成し活用することである。そして、その成果を高校地歴科教員に向けて発信し、「歴史総合」の授業実践力の向上に資することである。 初年度の2023年度は、主に「歴史総合」に求められる学習者の資質・能力と科目の内容構成上の特質や授業方法にかかわる文献研究を中心に行った。また、コンピテンシーという用語にかかわる理解についても、「学習(学修)成果の可視化」の観点からの検討を行った。「学習(学修)成果の可視化」をめぐる議論については、大学での「教育の質保証」の視点からの議論が高校現場よりも深まりが見られる。そのため、大学教育の動向を中心に整理を行った。そして、研究の成果を目白大学高等教育研究所所報『人と教育』18号(2024年3月発行)に掲載することができた(単著「コンピテンシーの視点からの『学習成果の可視化』」pp.6‐17)。 2023年度は「歴史総合」の単元開発に向けて、歴史系博物館・資料館を訪問して調査活動を行った。2023年12月26日‐27日に、国立歴史民俗博物館(千葉県成田市)、伊能忠敬記念館(千葉県香取市)を訪問するとともに、香取市佐原地区のフィールドワークと資料収集を行った。国立歴史博物館の調査では、「都市の大衆化」、「戦後の生活革命」などの近現代史の展示資料についての調査ができたことは、今後の教材開発に向けて有益であった。伊能忠敬記念館や佐原地区のフィールドワークでは、近世から明治期にかけての街並みが残る景観や伊能図(伊能忠敬の測量した日本地図)の見学・調査から、近世・近代の日本人の地理的認識についての意識を知ることができ、今後の「歴史総合」の教材開発に向けて多くの示唆を得られたことは大きな収穫であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度(初年度)は人間学部長と児童教育学科長を兼任したため、学内業務に多くの時間を割かねばならなくなり、科研研究を進めるための時間を十分に確保することが出来なかった。そのため、研究の進捗面で遅れが生じることになった。 2023年度は急激な円安が進んだことにより、海外調査費が当初予定していた金額を大幅にオーバーすることになった。そのため、2023年度のアメリカ調査は見送り、次年度以降に延期することにした。そのことが研究の進捗面での遅れの一因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度(初年度)の研究は、コンピテンシーや学習評価にかかわる文献研究が中心であった。本科研の中核を占める高校現場での授業調査、歴史系博物館・資料館でのフィールドワークと教材の収集についてはあまり実施できなかった。そのため、2024年度の研究では、初年度の進捗の遅れを取り戻すべき、学校を訪問しての授業見学と記録化、高校現場におけるルーブリックを活用した評価方法の実態調査を推進する所存である。また、歴史系博物館・資料館、史跡等のフィールドワークと教材の調査・収集についても積極的に実施する。 2024年度も円安の進行は心配であるが、昨年度に実施できなかった海外調査(アメリカ調査)を年度後半の実施を目指して準備を進める。海外調査では、学校を訪問しての授業調査、評価方法の収集、歴史系博物館・資料館、史跡等での教材発掘、学会大会へ参加しての新しい研究動向の調査等を行う。 筆者が運用しているホームページ(「世界史授業アーカイブ」)の更新を積極的に行う。また、研究成果を社会科系教育学会(日本社会科教育学会・全国社会科教育学会)で発表・報告する。そして、本科研の成果の発信と普及に努める。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)