Project/Area Number |
23K02513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
五島 敦子 南山大学, 教職センター, 教授 (50442223)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2027: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | アメリカ成人教育 / 継続教育・生涯学習 / 社会人教育 / 学修支援 / リスキリング / リカレント教育 / 大学開放 / 学び直し / 社会人学生 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、米国高等教育における成人学生の学修支援の方策を明らかにすることにある。具体的には、(1)成人学生を対象とする学修支援の組織体制、ならびに、(2)学修支援に携わる専門人材に必要とされる資質・能力とその養成・研修制度を解明する。そのねらいは、成人が既存社会の価値を問い直しながら、自律的にキャリアを形成するために必要な学修支援体制を解明することにある。これにより、成人学生を社会変革の担い手として育成し,自国の力としていく多様で柔軟な米国高等教育システムの特質を照射できるとともに、日本における社会人学生の学修支援体制の構築に寄与できると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、米国高等教育における成人学生の学修支援の方策を解明することにある。研究初年度である2023年度の成果は次の2点にまとめられる。 第一に、連邦及び各州の政策動向に照らし合わせてコロナ禍後の変化の軌跡を分析した。コロナ禍下では、米国救済計画法に基づく高等教育緊急救済基金によって多額の学資援助が行われたが、バイデン政権下では、その援助が非学位課程や継続教育課程の受講者にまで及んだ。その後、連邦教育ローン免除、マイノリティ及び低所得者層の進学支援、営利教育機関に対する監視の強化などによって学生を支援並びに保護する施策などが着手された。コロナ禍沈静化後、大学進学率は回復しつつあるが、SCNC(SCNC:Some College, No Credential)、すなわち、学位・資格を取得しないまま中途退学する人々の再入学率はむしろ低下しており、その支援が課題である。 第二に、訪問調査に先立つ予備調査として、各種の大学協会、専門職団体、シンクタンクなどの調査研究結果を分析した。コロナ禍下では、オンライン学習の実績をもつ継続教育部局(School/Division of Continuing Education)に新たな学習者が殺到するとともに、学内では既存学部におけるオンライン学習の進展に貢献した。具体的には、学位プログラムのオンライン移行を技術支援したり、教員にFD講習を提供したり、オンライン・プログラムの運営を代行したりした。また、学内部局の調整や福祉サービスとの連携の必要性などから、学修支援を一元化する「繋ぐ人材」として新たな学修支援職を導入する事例がみられた。しかしながら、多忙な支援職のメンタルヘルスの維持や業務軽減が課題となっていることから、彼らの養成と研修を調査及び検討する必要性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「第13章 アメリカにおける成人学生の学修支援―アンバンドリングとリバンドリング」(『学び直しとリカレント教育』(ミネルヴァ書房、2023年、pp222-236)を執筆し、2000年代から今日にいたる米国成人学生の学修支援策を整理することができた。具体的には、既知の知識や経験を活かして効率的に学修するための方策、たとえば、経験学習評価制度、コンピテンシー・ベースド教育、マイクロクレデンシャルなどの多様な選択肢が提供されていることを明らかにした。現在は、「アンバンドリング(分解)」された学びを「リバンドリング(組み直し)」するための支援が肝要であり、非学位課程から学位課程へのシームレスな移行をすすめる方策が必要であることを指摘した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、以下の方策で研究を遂行する計画である。 (1)予備調査の結果を論文として公刊する。 (2)米国訪問調査により、学修支援の組織体制について組織管理者等に対する聞き取りを行い,日米比較の観点から特徴を検討する。 (3)大学と成人を繋ぐ専門職の育成をねらいとする各専門職団体の養成・研修プログラムの内容と特徴を明らかにし、専門人材に求められる資質・能力のモデルを検討する。
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