Project/Area Number |
23K02587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (60291853)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 視覚障害者 / 触覚教材 / プログラミング教育 / プログラミング的思考 / 3Dモデル |
Outline of Research at the Start |
国内では、若年層に対するプログラミング教育の充実が望まれる一方で、盲学校や視覚特別支援学校では、マウスを利用する視覚的なプログラミングツール等を用いることができない。そこで本研究では、3Dプリンタを利用した新たなプログラミング教育用教材を提案し、その有効性を確認する。評価と改良を繰り返し、直接現場の意見も収集することで実用的な教材の提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、盲学校・視覚特別支援学校の担当者数名から、高等部や中学部のプログラミング教育の現状などについて話を伺った。また、重度を含む視覚障害のある生徒らがプログラミング的思考を習得することを目的として、バーコードの仕組みを学ぶワークショップを構成しなおした。 高等部におけるプログラミング教育は、点字教科書が用意されていることから実教出版の教科書による授業が進められていた。一方、演習環境については、晴眼の生徒と異なりスクリーンリーダーの操作技術が必要なこともあるため、コンピュータ環境や生徒の状況等によりいくらか差が見られた。中学部では、ブロックの組み合わせにより触覚でプログラミング体験が可能な製品を利用するケースもあった。 バーコードワークショップについては、まず一般商品をバーコードリーダーでスキャンしつつ、数字の意味を考えることからスタートする。そしてチェックデジットや左右の偶奇パリティの差など、数値を正確に読み取る工夫について学習する。利用するのは触察できるA4サイズに拡大されたバーコードや、1つの数字が7セグメントで構成されていることが触って理解できる教材などである。続いて、パリティやセグメントの条件から10種類のバーコードパターンを作成する触覚教材を用いて、各パターンの成り立ちを理解する。最後にA4サイズのホワイトボード上に、各数値に分けられた触察可能なピースを並べるパズルを用いて立体のバーコードを完成させ、pythonで実装されたWebカメラでバーコードを読み上げるソフトウェアで読み取らせる。 特にパターンを作成する部分や最後のバーコードを作成する部分は、限られた条件下において試行錯誤を繰り返し答えを導き出すというプログラミング的思考の習得に適した教材だと考えられる。また、立体コピーを用いたものに加えて、光造形方式の3Dプリンタを用いたバーコード教材も試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラミング言語ではなく、プログラミング的思考を養う教材として、当初予定されていたバーコードを用いたワークショップ向けの教材をリニューアルし、ワークショップの全体構成を刷新することができた。また、直接評価を行なうものではないが、視覚障害のある生徒向けイベント等において教材を利用したワークショップを実施したところ、重度の視覚障害があっても最後のパズルまで完成できた。今回作成した教材は、事例として国内の研究会に報告した。以上のことから、概ね計画に沿って進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
明確な定義のしづらい「プログラミング的思考」について、限られた条件下で試行錯誤しつつゴールに向かうという捉え方をすることにより、異なるアプローチの教材や応用範囲を開拓し、国際会議等への報告を進めていく予定である。
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