Project/Area Number |
23K02594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
友松 郁子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 招へい研究員 (20715007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10432436)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 学校看護師 / 医療的ケア看護職員 / 医療的ケア児 / インクルーシブ教育 / 普通学校 / 学校看護の専門性 / 職能 |
Outline of Research at the Start |
「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法」等、医療的ケア児のインクルーシブ教育へのアクセスを可能とする制度や施策が整備され、今後は現場レベルでの実践がより重要となる。その一環として学校看護を職能として整備することが重要な要素となると考える。本研究は、学校看護の専門性を構成する要素とは何か(知識やスキルなど)を明らかにすることを目指す。特に、日本において医療的ケア児のインクルーシブ教育へのアクセスを、現場実践レベルにおいて阻害している要因と今後阻害要因となり得るものは何か、その要因に対処する上で必要な学校看護師の知識とスキルに焦点をあてる。
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Outline of Annual Research Achievements |
医療技術の進歩により、複雑かつ複数の医療ケア(人工呼吸器管理、経管栄養等)を必要とする障がい児数が、先進諸国を中心に増加傾向にある中、そうした子どもたちの教育機会が制限されている実情が明らかになってきた。日本では、そうした子どもたちは医療的ケア児と呼ばれ、2021年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法」が成立・施行され、本人と家族が、地域の学校への就学を希望した場合、必要な体制を整える当該自治体の責務となった。本研究は、その要の一つである医療的ケア看護職員(学校看護師)の専門性を整備し言語化することを目的としている。 令和5年度は、①日本の普通学校における医療的ケア看護職員並びに学校看護師に関する研究動向を整理(文献検討)、②諸外国におけるSchool Nurseについて、医療的ケア児並びに、インクルーシブ教育という観点から研究動向を整理(文献検討)、③普通学校に配置され、医療的ケア児の学校生活を支援している看護師19名(東京都、神奈川県)を対象にインタビュー調査を実施した。 ①により、学校看護師の役割として既存の研修教材で記載されている内容や、学校教育法における医療的ケア看護職員の規定(2021年)の範疇を超えた役割が、医療的ケア児をはじめとする学校現場の当事者から期待されていることが明らかになった。②により、普通学校に通う医療的ケア児は諸外国においても増加傾向にあり、こうした子どもたちの学校生活を支えるSchool Nurseへの需要が高まっている傾向が明らかとなった。他方、このテーマをインクルーシブ教育という観点から捉えた研究は非常に限定的であることも明らかとなった。③を通じて学校看護師らが従来の医療者としての視点を超えた観点を醸成するためには、複数の異なる疾患や医療的ケアニーズのある児と接すること、その経験を積むために一定の時間が必要との知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始年となる令和5年度は、本研究領域における文献検討と医療的ケア看護職員(学校看護師)を対象としたインタビュー調査を予定しており、概ね予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年度に実施した文献検討結果を最終化し、学会発表を通じてフィードバックを得た上で、論文化し学術誌で公開する。 また、フィールドワークを更に進め、医療的ケア看護職員(学校看護師)の包括的現状把握を目指す。まず、令和5年度に実施した学校看護師を対象としたインタビューの分析結果を、インタビュー協力者へフィードバックし再分析を重ねるアクションリサーチを実施していく。また、インタビュー対象者を拡大し、医療的ケア児本人並びに保護者、教員、教育委員会等行政職員にもインタビューを行う。更に、全国の学校看護師を対象としたアンケート調査を実施する。これらのフィールド調査の実施と分析を進め、令和7年度に医療的ケア看護職員(学校看護師)の専門性を整備し言語化することを目指す。
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