教育相談の「職人技」を科学する -音声言語スキルに着目した保護者対応力の解明-
Project/Area Number |
23K02632
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 茜 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 講師 (00792277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 浩子 下関市立大学, 教養教職機構, 教授 (00968175)
米沢 崇 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20569222)
山田 洋平 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (60735687)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 教育相談 / 教師の力量形成 / 保護者対応 / 音声言語スキル / カウンセリング・マインド / 保護者対応力 / OJTによる研修 / バーンアウト予防 |
Outline of Research at the Start |
近年,子どもの育ちを支える上で学校と家庭の連携の必要性が指摘されている。一方で若年層の教員の増加により,十分な教育相談力を備えた教員の育成が急務となっている。そこで本研究ではこれまで「職人技」とされてきた教育相談力について,特に家庭との連携において重要となる「保護者対応力」に着目し,保護者対応に求められるスキルの解明やその知見を生かした教員研修ツールの開発を目的とする。本研究の知見は,教育相談力不足による教員のバーンアウト予防や,保護者と学級担任の効果的な連携への示唆を提供することができると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,教師の保護者対応の困難さに注目し①小学校における学級担任の情緒的消耗感につながる保護者対応の内容の把握と,②保護者対応に求められる音声言語スキルの解明,およびそれらの結果をベースとした③教育相談力育成のための効果的なOJTツールの開発を目的としている。そのため初年度である2023年度は②,③について,教育相談の熟達者,あるいは,熟達を目指して研鑽に励んでいるミドルリーダーを対象としたインタビュー調査を行うこととした。 調査実施にあたり研究協力者と協議の上,特に小学校においては保護者連絡に電話が用いられることを踏まえて「新年度保護者との関係性もまだ希薄な時期に学校での対人トラブルの被害を訴えてこられた場面」を調査対象者に想起してもらい,音声言語スキルモデルのフローを踏まえてインタビューを実施した。加えて,教育相談や生徒指導に必要な力量形成を調査対象者はどのように経験してきたか,校内で同僚の力量形成に対してどのように働きかけているかについても調査し,効果的な研修についての知見も収集している。 現在明らかになっている点として,教育相談の熟達者は音声言語モデルのフローに示される相槌や繰り返し,掘り下げといったスキルが保護者の話を傾聴するために重要だと認識し,意識的に使用していることがわかっている。また,受容的・支持的・相互扶助的人間関係の形成を意図的に行うミドルリーダーのもとでは,校内で,そしてそこから派生して他校にも研修成果が広がる可能性が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は教育相談の熟達者や熟達を目指して研鑽に励んでいるミドルリーダーを対象としたインタビュー調査を行った。 教育相談を中核とした包括的な生徒指導・教育相談のミドルリーダに関しては紀要論文としてまとめ,既に公開されている。 また,教育相談熟達者を対象として行ったインタビュー調査については,現在分析及び論文執筆中であり,概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度からは保護者対応場面を具体的に想定した演習を教員研修等を通じて実施し,その様子を録画,及びフィードバックを行うことで教師の保護者対応場面での教育相談スキルがどのように向上するのかを検討する。 既に教育相談に関する教員研修については日程等を確保し,広く研修を周知している。 また,小学校における学級担任の情緒的消耗感につながる保護者対応の内容の把握についてはオンライン上での調査を計画しており,調査項目について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)