Project/Area Number |
23K02720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
戸田 大樹 創価大学, 教育学部, 准教授 (40779261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
榊原 久子 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (80869107)
舘 秀典 駿河台大学, メディア情報学部, 講師 (90402148)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 熟達保育者 / 保育者志望学生 / フィードバック / ドキュメンテーション / 教材 / 実践知 |
Outline of Research at the Start |
保育者志望学生の実践知の不足は、保育の質低下につながっている。特に、乳幼児への言葉かけはその知識・スキルが、カンやコツといった暗黙知のままになっていることから難易度が高く、それを修得できないことに伴う不安のため、成長実感を持てないことが多い。その解決のために、1)熟達者の言葉かけの知識・スキル=乳幼児の多様なイメージ、捉える視点、教育的意図、バリエーションを写真・動画付きで可視化し、2)熟達者の具体的な言葉かけの内容とそれに関する客観的な分析の記述を加えたフィードバック型ドキュメンテーション教材を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
熟達保育者の知識・スキル(多様なイメージ、個及び集団を捉える視点、教育的意図、バリエーションなど)は、カンやコツといった暗黙知のままである。そのため、経験が浅い学生はそれを独力で読み取れないため、保育文脈を押さえた写真や動画で熟達保育者の知識・スキルを可視化して読み取りを支援する必要がある。その支援のために我々は、言葉かけ等の援助内容とその根拠となる客観的な分析の記述を加えた、フィードバック型保育ドキュメンテーション教材の開発を目指している。そこで、現職の熟達保育者と保育者志望学生を対象にし、乳幼児への「言葉かけ」に着目した以下の内容に関する研究を実施した。 ①質問紙調査の結果、「5年以上保育者」と「5年未満保育者」の「言葉かけ」が乳幼児の発達に与える影響に関する意識(強弱)の割合を明らかにした。 ②質問紙調査の結果、「実習後学生」と「実習前学生」の「言葉かけ」が乳幼児の発達に与える影響に関する意識(種類)の割合を明らかにした。これらの研究実績は、日本人間関係学会にて研究論文として発表した。 ③登園から降園までの乳幼児の「望ましい姿」と「配慮が必要な姿」を動画撮影すると同時に、熟達保育者の言葉かけをボイスレコーダ―で録音し、多様な乳幼児の姿に対する保育者の言葉かけ内容を分析した。 ④動画による保育ドキュメンテーション教材(おにごっこ場面)を使用し、実習前学生と実習後学生が保育動画を視聴した際に抱く疑問から、彼らが保育文脈から何を読み取ろうとしているのか、その差異を明らかにした。これらの研究実績は、日本保育者養成教育学会第8回研究大会において研究発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により、「おおむね順調に進展している」と評価している。 ①そもそも、乳幼児に対する「言葉かけ」の影響に関する議論は行われてこなかった。しかし、本研究ではそもそも論として、熟達保育者は自身の「言葉かけ」が乳幼児の「感情」に主な影響を与えると意識しており、乳幼児の行動や発言といった外面的理解と同時に内面により焦点を当てている事実を初めて明らかにすることができた。ここで得られた研究成果については、査読付き論文にも掲載されたことから、十分な研究成果であると評価することができる。 ②2歳児を対象とした「おにごっこ」の保育ドキュメンテーション教材(動画)を使用し、実習前学生と実習後学生の疑問を調査した結果、特に、実習前学生は実習後学生に比べ、多様な場面における園児の多様な姿を幅広く予想し、それに即した援助を検討することが困難であることを明らかにすることができた。ここで得られた研究成果については、日本保育者養成教育学会における研究大会において、研究発表(オンライン自由閲覧)82件のうち2番目にに多い閲覧数であったことから、高い関心度を集めた研究成果であると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、以下の通り予定をしている。 ①2023年度については、2歳児を対象とした「おにごっこ」「海賊ごっこ」「ハロウィン」の動画を撮影したが、今後は、登園から降園までの多様な保育場面における熟達保育者の「言葉かけ」を記録し、事例選定、ドキュメンテーション作成と整理を進める(戸田・榊原)。 ②動画編集、データの蓄積、写真整理、学習支援のシステム化(舟生・舘)。 ③動画による保育ドキュメンテーション教材(海賊ごっこ・ハロウィン場面)を使用し、実習前学生と実習後学生が保育動画を視聴した際に抱く疑問から、彼らが保育文脈から何を読み取ろうとしているのか、その差異を明らかにする(戸田・舟生)。 ④動画によるフィードバック型保育ドキュメンテーション教材(おにごっこ・海賊ごっこ・ハロウィン場面)において実習前学生・実習後学生が抱いた疑問に対し、熟達保育者からのフィードバックを試み、学生と熟達保育者の知識・スキルのズレを可視化する(戸田・榊原・舘)。調査とその成果報告(戸田)。
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