Project/Area Number |
23K02747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 哲雄 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (90727984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 麻理 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (70786409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | プログラミング / 音読 / 学習効果 / ログ分析 / 脳活動 / NIRS / 生体情報 |
Outline of Research at the Start |
プログラムには特有のキーワードや記号があり,初学者には読み方が分からないことも多い。読み方が分からなければ学習者は指導者の説明を聞き取ることが出来ず,理解も追いつかない。本研究ではコミュニケーションを改善させる手段として音読に着目し,プログラミング学習における音読の有効性を定量的に明らかにすることを目的とする。そのために,音読を用いたプログラミング学習システムを開発しプログラミング学習中の音読音声と音読時間や回数などの学習ログの収集を行う。さらに音読時の生体情報を組み合わせて分析することで,音読を用いたプログラミング学習のメカニズムを解明し学習者ごとに個別最適化された学習方法を策定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
プログラミング学習における音読の効果を客観的に評価することを目的として,(1)プログラミング学習システムの拡張機能(音読ログ収集,音読採点)を試作し評価した.(2)また,実際のプログラミング授業に本ステムを適用した際のシステムログを分析して期末試験のスコア予測を行った.(3)さらに,プログラミング音読時の脳活動の計測を行った. (1)プログラミングが苦手な大学生を対象として,音読学習を取り入れたプログラミング講座を実施した.事前事後のテスト結果から音読・黙読のいずれの場合も学習の効果は確認できなかった.既報告の内容と照らして,プログラムの音読が効果的な層とそうでない層があることが示唆された.本件につき,日本音響学会研究発表会および日本聴覚医学会学術講演会にて発表した.また,プログラム音読の採点機能については,音声認識に基づく採点の精度が不十分であることを確認した.特にint,structなどプログラミング言語固有のワードの認識精度が下がり辞書を作成して対応するも十分とは言えない. (2)毎週の授業のログから期末テストの得点を予測する重回帰分析モデルを作成した.授業の初期の段階(第1週,第2週)から最終成績を悪くない精度で予想できることを確認した.また,各週の授業のログに基づきその最終成績予想を更新して学生にフィードバックできることを確認した.ただし,授業回数が多くなるにつれ過学習が進むことも確認した.本件につき国際会議IIAI AAI2023およびCELDA2023にて発表し,CELDA2023ではBest Paper Awardを受賞した. (3)ソースコード音読時の脳活動を計測し,音読後に黙読する場合の計測では黙読より音読のほうが脳活動が増えること,および,音読の有効性を検証するための課題を明らかにした.本件につき,日本音響学会研究発表会および電気学会全国大会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,これまで開発してきたシステムを機能拡張することで音読を用いたプログラミング学習システムを開発し,本研究の前提となる学習者の行動ログが蓄積できることを確認した.また,プログラムの音読が効果的な層とそうでない層があるとの示唆を得た.さらに,計画を前倒しして脳活動の計測を行い,黙読より音読のほうが脳活動が増えることを確認した.これらの結果から,音読の有効性を検証するための課題が明らかになった.すなわち,計測に用いるソースコードの難易度や長さ,読む速さ,音読時の声の大きさや黙読時のサブボーカリゼーションの有無,さらには,被験者のプログラミングスキルなどと脳活動の関係を分析・精査する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
開発システムの評価・改良を行うとともに,新規開発機能分を含むデータ収集・分析を行う.また,上述の新たな課題に取り組む.これらの取組成果に基づき効果的学習方法策定に取り組む. なお,音読の採点機能は音声認識の精度に大きく依存するため,計画した方式では実用に供する水準の実現は難しいことを確認した.別方式を検討する.それでもなお難しい場合は一旦ペンディングとする.
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