Project/Area Number |
23K02770
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
齊藤 萌木 共立女子大学, その他部局等, 専任講師 (60584323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 至桜 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20598289)
飯窪 真也 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 客員研究員 (40609971)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | STEAM/STEM教育 / 認知/学習科学 / 形成的評価 / 対話分析 / 協調学習/協働学習 / STEAM教育 / STEM教育 / 学習科学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、理数情報分野の「教科を横断する学び」としてのSTEAM教育と関係各教科教育の往還的な進歩実現のため、STEAM教育実践における学習者の「知識統合」の過程を分析し、分析結果に基づいて各教科でも活用可能な支援方略を提案する。科学技術を巡る社会環境の変化に伴いSTEAM教育の充実が世界的課題となっているものの、知識統合過程についての実証的知見がまだ少ない。本研究では、日本のSTEAM教育の実践データを、欧米の認知・学習科学理論も活用して分析することで、知識統合過程について実践の文脈に即した実証的知見を得る。これにより、日本と欧米の先行研究を架橋し、理数情報教育の実践と理論の充実を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、STEAM教育における学習者による知識統合の過程を認知・学習科学の知見を活用して分析し、分析結果に基づいて、各教科の学習も知識統合の観点で充実させるための支援方略について提案を行うことである。令和5年度は、認知・学習科学先行研究に基づく「知識統合過程」の分析手法・分析指標の開発、実践およびデータ採取、「知識統合」の観点から教科教育目標の整理、先行実践例検討を行った。 分析手法・分析指標の開発としては、代表者と分担者飯窪のこれまでの研究実績をふまえ、「機能機構階層図」を用いた学習者の知識統合過程の可視化手法の改善を進めた。具体的な改善点として、クラス全体/個人/グループの3つの分析単位を併用する「三次元分析(three dimension analysis)」の手法実装に着手し、「新しい学びプロジェクト」で採取した7年生理科授業の分析をとおして手法の検証を進めている。成果は国際学会誌投稿に向けて論文作成中である。加えて、「授業前後理解比較」と「多面的対話分析」の2手法は、課題設定方略の検討のための分析に活用し、成果を代表者が日本語・英語(印刷中 )の文献で発表した。 STEAM教育の実践とデータ採取は、研究担当者3名が協力し、学校外の科学教室において、20回程度実施した。分担者川越は、この成果に関して人間情報学会にて発表を行った。更に、「知識統合」の観点からの教科教育目標の整理では、「知識統合」に焦点化した実践で期待されるのは「可搬性・活用可能性・持続性:以下、PDS」を兼ね備えた知識の獲得であるという知見が得られたため、日本における「知識統合」をねらった授業を受けた学習者10年後のアンケート調査等を活用し、PDSの実態を検討した。この成果は、代表者と分担者飯窪を中心に、日本認知科学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度の計画では、認知・学習科学先行研究に基づく「知識統合過程」の分析手法・分析指標の開発/STEAM教育の実践とデータ採取/「知識統合過程」の分析試行/「知識統合」の観点から教科教育目標の整理/「知識統合」の観点から先行実践例検討の5項目を実施する計画であった。「研究実績の概要」に記載したとおり、計画はほぼ予定どおり実行することができた。更に、学会・研究会等での論文発表、研究報告、協議提案等は、2024年度に実施する計画であったが、これまでの実績を活用することで、2023年度中に実施できた。そこで、研究は当初の予定以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が予定以上に進展しているため、2024年度は、国際学会論文誌投稿や国際研究集会、認知・学習科学の「知識統合過程」に関する研究資料の翻訳などを研究計画に加える方策をとり、開発・検証を進めてきた「知識統合過程」の分析手法と「知識統合」のための学習支援の質の向上に取り組む予定である。 そのうえで、2024年度の計画であった、試行結果に基づくSTEAM教育実践の改善と実践・データ採取/「知識統合過程」本分析/知識統合」を促す支援方略を組み込んだ授業のデザイン、試行実践、振り返りを行う。これにより、STEAM教育における「知識統合過程」について、および理科教育における「知識統合」を促進する授業デザインと支援方略についての2つの観点から、研究成果の中間的な整理を進めることで、計画をより高いレベルで達成することをねらう。成果の中間整理は、学会論文で発表するだけでなく、特に授業デザイン支援方略に関する知見は、新学Pの研究集会等の機会も活用し、現場での還元に平行して取り組みたい。 研究遂行の課題としては、STEAM教育に関するフィールドと理科教育に関するフィールドの連携である。2023年度の段階では、開発した知識統合過程の可視化手法を両フィールドで採取したデータの分析に活用すること、データの分析を各フィールドの授業デザインへのフィードバックに結びつけることができた。今後は更に両フィールド間ので知見の相互検討や活用を進めたい。
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