Project/Area Number |
23K02811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五島 譲司 新潟大学, 教育基盤機構, 准教授 (90360205)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 数学リテラシー / 数学モデリング / 問題解決 / 数学活用 / 数学的リテラシー / 数学的モデリング |
Outline of Research at the Start |
高度に情報化が進んだ今日では、専門分野を問わず、日常生活においても数学的な素養が一層必要とされてきている。しかし、学生は現実の問題に数学を使えるという認識が不足し、授業で学んだ活用事例以外で数学を活用できないという問題が長年指摘されている。そこで、本研究では、数学の活用に関する観点から、数学知識を実際の場面で使用する目的などでとらえ直し、現実場面の問題解決に関する実態を詳細に調査し、授業の振り返りと改善を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
数学活用力を育成するための数学的知識のモデル構築に向けては、数学リテラシーの観点から、概念的知識や手続き的知識、使用目的的知識(使用目的に関わる知識)の3つの観点で捉えた場合の、それらの関係性や差異についての整理検討に着手した。概念的知識と手続き的知識だけでは、数学的処理はできても、現実場面の問題解決ができるとは限らず、概念的知識と使用目的的知識だけでは、どのような問題に数学が使えるか知っていても、実際の問題解決において数学的な考察を展開することは難しく、手続き的知識と使用目的的知識だけでは、問題の考察や解決に資する数学的事項(問題が内包する数学的概念)を同定することは困難と考えられる。このことは、これら3つの知識を相互補完的に機能させることの重要性を示唆している。 また、研究代表者が担当する数学活用を主なテーマとする授業科目の受講者を対象に、自身の数学に対するイメージや数学の好き嫌い、学習暦や受講動機などとともに、数学の現実場面での有用性に関する認識や授業で取り組んでみたいことなどを尋ねるアンケート調査を実施した。 加えて、これまで研究代表者が授業で使用している現実的場面で数学を活用する教材において、そこで扱っている問題の解決に必要な概念的知識や手続き的知識だけではなく、知識の使用につながると思われる使用目的的知識を意識させるためのポイントについて考察するとともに、一部の教材については、受講者による授業全体の振り返りも参考に、他の文脈への適用可能性に関して検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数学的知識のモデル(分析枠組み)については、概念的知識、手続き的知識、使用目的的知識の個々の知識の内実について検討したが、それらの有機的な作用も想定した枠組みを構築するところまでには至っていないため。また、受講者を対象としたアンケートについては、回答者数が当初の想定より少なく(該当授業の受講者数が例年よりも少なく)、調査結果をモデル構築に活かすためにも継続的な調査が必要となるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も受講者アンケートを実施し、その結果も踏まえ、数学的知識のモデル(分析枠組み)を仮作成する。そのうえで、数学活用に関わる知識の3観点の間の関係の他に、熟達の程度に応じた発達段階、さらには汎用的/個別的技能や態度・姿勢も考察に入れ、より詳細かつ包括的に把握・記述可能なモデルへの発展をめざす。加えて、受講者の協力を得て、数学を活用する現実場面の問題に取り組んでもらい、その間に自身が考えたことを振り返ってもらうヒアリング調査を実施し、回答者の思考プロセスを詳細に分析することを試みる。これらをもとに、学生が自身の数学活用に関わる問題解決行動を内省可能なルーブリックの作成に取り掛かる。ヒアリング調査が十分に行えないような場合は、過去の受講者アンケート調査や振り返りコメントなども参考に、数学的知識の3観点を反映したルーブリックを先行して試作することも検討する。
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