Project/Area Number |
23K02840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
西田 公昭 立正大学, 心理学部, 教授 (10237703)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | カルト信者の子ども / 過激化の心理過程 / マインド・コントロール |
Outline of Research at the Start |
親などの親近者がカルト/セクト集団のメンバーであったために、信仰を強制された 子供たちが成人し、団体の思想を否定するに至り、対人葛藤やさまざまな苦悩が生じている多世代カルト元信者(Multi Generational Adult Former Member: MGAF)問題が出現して いる。なお宗教に限らず、反ワクチン陰謀論者やマルチ商法会員もその思想団体の信者となり、MGAFと類似の葛藤を近親者にもたらしている。彼らの場合では、自らは信者になっていないのであるが、家族が信者のままの苦悩は深く、どのような支援がなされるべきなのかを社会心理学的な手法で検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近親者からの信仰強制に起因する児童虐待の影響を5名のインタビュー調査と819名の量的調査によって検討した。カルト2世(MGAF)を対象にした約数百人規模の質問紙調査を実施して離脱及び回復過程をとらえ、MGAF問題の全体について心理学的モデルを作成した。サンプル獲得はWEB調査およびカルト対策諸団体の協力を得た。その主な質問構成は、MGAFの、①所属団体の特徴や受容していた強制的活動の概要、②放棄する前の信念や信条に対する確信度やユーティリティ機能のレベル、③パーソナリティ特性、④集団内外の支援者との関係、⑤離脱過程の所要期間や心身の苦悩、⑥現在の心理状況といった内容の予定であった。 その調査結果では,その被害認知は,団体活動の絶対優先,プライバシーへの干渉,言論の統制,ローダーへの絶対服従,多額の寄付や献金,罰や脅迫的行為で特徴づけられている特定の集団に集中していること,脱会してもなお続いている苦悩・葛藤として団体思想の影響,また一般社会への不適応の存在を示した。また,子どもの頃の嫌悪経験については, 団体に従う親からの強制,制限や禁止と,団体からの奉仕や活動の強制,そしてそれらに伴う一般社会での活動との葛藤が示された。なお,彼らが脱会を検討しはじめると,団体への批判的思考,団体への擁護的思考の両方が生じ,恐怖,不安,失望,罪悪感などを経験したことを示した。またそんな苦悩の相談相手が見つからず,一人で抱えているケースも多いことがわかった。特に公的機関への相談は少ないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの研究計画のうち、基礎となる計画1と計画3の一部は、おおむね予定どおり実施できた。しかし、計画2の海外のテロ対策専門機関への調査が進んでおらず、現在、自分の置かれている他業務の環境を加味するとあまり余裕があるとは言い難いが、コロナ禍で遅延していた別の基盤C研究が終了できたため、実施可能性が高まり、計画2の遅れは期間中に取り返せると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
近親者からの信仰強制に起因する児童虐待の実情を質的調査をさらに実施することによって,非構造的な面接調査によって把握し整理する。また同時にどのような心理的過程を経て脱会し、現在どのような苦悩を抱えているかを聞き取る。可能なら集団面接も並行して実施する。 また,すでに実施した量的調査の分析をさらに進めて,残された課題を検討するための新たなる量的調査を計画し,実施する予定である。
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