Project/Area Number |
23K02844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
上野 将敬 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (30737432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 教授 (30345798)
加藤 邦人 岐阜大学, 工学部, 教授 (70283281)
山田 一憲 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (80506999)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ニホンザル / 顔 / 血縁関係 / 深層学習 / 霊長類 / 顔類似性 |
Outline of Research at the Start |
勝山ニホンザル集団 (岡山県真庭市) において収集した顔画像を用いて、ヒトを対象とした認知実験と深層学習を用いた画像クラスタ間距離の算出による2つの方法で顔画像間の類似度を評価する。糞から抽出したDNA情報によって父系血縁関係を推定し、母系血縁度や父系血縁度が高い個体間では、顔の類似度も高いのかを検討する。さらに、ヒトによる類似度評価と深層学習による類似度評価を比較することによって、ヒトの血縁推定に関して、画像のニホンザルや評価者であるヒトの性別によって認知バイアスがどのように生じるかを探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
血縁個体は遺伝子の一部を確率的に共有するため、血縁関係の把握は、社会性の進化を探るためには欠かすことができない。ヒトの社会性の進化的基盤を解明するために、ニホンザルのようにヒトと進化的に近縁な霊長類の研究が有用となる。集団の血縁関係の情報を新規に収集するためには膨大なコストを伴うため、客観的で妥当性が高く、かつ簡便な血縁推定の方法が求められている。本研究では、霊長類集団における血縁推定の手段として顔の類似度に注目し、人工知能(機械学習)の1つである深層学習 (ディープラーニング) とヒトによる顔の類似度評価の両方を用いて、顔画像の類似度によって野生ニホンザル集団の血縁関係を推定することができるかを明らかにすることを目的としている。 2023年度はニホンザルの顔画像を収集し、メトリックラーニングの技術を用いてニホンザルの個体間の類似度を求めた。そして、母系血縁度との関連を検討したところ、母系血縁度が高い個体間ほど、顔の類似度が高いことが示された。さらに、顔の類似度には個体間の年齢差が寄与していることが示唆された。 また、父系血縁度を評価するために、岡山県真庭市に生息している勝山ニホンザル集団を対象に、集団の一部の個体の糞を収集した。さらにそれらの糞については順次DNAの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、ニホンザルの顔画像の収集、ニホンザルの糞の収集とDNA解析、深層学習による類似度評価を行うことを計画していた。これまでに収集した顔画像を用いて、深層学習による十分な識別とそれにともなる類似度評価を行うことができた。また、糞の収集と解析も順調に行っている。ただし、DNAの抽出がうまくいっていない個体もいるため、今後も引き続き糞の収集とDNA解析を行う必要はある。 以上のことから、本研究計画は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今度は、引き続きニホンザルの糞の収集とDNA解析を重点的に行う。そして、そこで得られたDNA情報を基に、父系血縁関係の評価を行う。その後、多様な母系血縁度と父系血縁度を人間がどの程度の精度で推定できるのかを評価する。
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