Project/Area Number |
23K02864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
若松 養亮 滋賀大学, 教育学系, 教授 (50273389)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 大学生 / 職業選択 / 利他 / 価値観 / 動機づけ / 教職志望 / 欲求 |
Outline of Research at the Start |
多忙とされる教職を志望する大学生が減少する情勢のなか、強固な教職志望の背景には利他的な動機が中心的に関わっていること、またその背後には利己的な感情や欲求があること、それらがどのように志望意識の生起と維持に関係しているかを明らかにする。教育学部生でありながら教職を志望しない学生とも比較し、教師教育に寄与する知見にするとともに、対人サービス業の進路選択理論を再構築し、利他・利己にまつわる社会心理学研究を職業選択の領域について精緻化することに貢献する研究となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
23年度は前半に文献研究を行った後、11月に大学3年次生191名を対象とした量的調査と、3月に現職教員13名を対象にした面接調査を行った。 まず量的研究では、21年度に行った職業選択理由尺度から、各因子3項目ずつを取り出した尺度を中心に、①想定した選択肢の志望の強さ、②自分がそこで働くイメージの明瞭さ、③実現に向けての準備の程度、④進路選択における快適さ(comfort)などを尋ねた。職業選択理由尺度から5つの下位尺度「利他的」「利己的」「対人的親和性」「時間関連」「身分安定」の得点を算出し、他の変数との関連を分析した。「身分安定」以外では、①~④と有意な正の相関が見られたが、重回帰分析を行うと「利己的」のみで偏回帰係数が正で有意となった。すなわち、利他的な動機をもっている人でも同様に利己的な動機も有しており、利己的動機の程度を統制すると利他的な動機は関連を示さない。利他的な動機は必ず利己主義的なものに帰着するという岡部(2014)の指摘の傍証が得られた。またこの関連の強さは、教職を想定する人のみに限定するとより大きなものとなった。 次に質的研究では、21年度に行った職業選択理由尺度を現職教員向けに改変した36項目への回答をもとに、評定が高い項目の具体と、それが原動力になる理由や経年変化を尋ねた。その結果、A.自己価値 B.探究・追究、C.利他、D.効力感、E.同僚との相互作用、F.待遇・環境の6つのカテゴリに整理された。A~Eは相互に関係しあっており、量的調査でもその存在が推察されたC→Aだけでなく、授業研究(B)を重ねるほど授業や学級経営に手応え(D)を感じ、それが自己有用感(A)を高めたり、同僚から刺激や励ましを得る(E)ことが、さらなる探究(B)や自信(A、D)につながるなど、教師が職務に動機づけられ、アイデンティティを強めていく過程をモデル化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育学部生と現職教員の双方に対する調査がほぼ予定した内容で行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
利他的な動機が利己的なものと同期することはおおよそ明らかになったが、カテゴリごとの対応関係を明らかにしたにとどまり、具体的にどのような結びつきが生じ、それがなぜ起きるのか、どのような個人差があるか、教職を志望する学生と教職で経験を重ねた教員との違いはどこにあるかといった詳細については次年度以降の課題である。また利他的なものから利己的なものへの同期が起きるならば、教職を志望しない人にとってはそれが起きないのか、起きても選択に至らない他の要因があるかについても明らかにしたい。その手法は、先行研究や関連する理論をふまえてモデル化を行い、それを質問紙法や面接法で検証していく予定である。 なお初年度に予定していた測定尺度の開発は、先行研究における尺度が入手できないことから、次年度への課題となった。これについては、予備調査を経て本調査を行い、妥当性・信頼性の高い尺度をつくることを目指したい。
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