Project/Area Number |
23K02880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
田渕 恵 安田女子大学, 心理学部, 准教授 (70631977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 保育行動 / 制御焦点理論 / 幼児 / 保育者 / 高齢者 / 世代性 / 知恵 / 柔軟性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,保育方針の変革期を迎えた保育現場で,中・高齢保育者がどのような保育行動をとっているのかを明らかにした上で,「世代性」をはじめとする心理的発達が,保育行動の個人差に関連するかを明らかにする。具体的には,調査・観察研究により,心理的発達要因が,中・高齢保育者の行動の個人差に関連するかを検討する。本研究により,中・高齢保育者の行動がポジティブな影響をもたらすという単純な視点のみではカバーしきれない,多くの問題解決に貢献することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
【目的】豊富な現場経験を有する保育者は,幼児が「従わない場面」においてどのような保育行動を行っているのだろうか。本研究では,幼児が保育者の言葉かけに従わない場面を取り上げ,保育者がそれに対してどのような声かけを行うのかを自由記述によって把握し,保育者の経験年数が,声かけ行動とどのように関連するのかを検討することを目的とした。 【方法】調査対象者:調査実施は調査会社に委託し,質問紙の配布・回収にオンラインを用いたWeb調査を行った。対象者は18歳以上の現役の保育士または幼稚園教諭とし,回収された150名のうち自由記述欄に記入のない対象者を除外し,120名(平均年齢32.57±10.53歳,18-50歳;平均勤務年数15.11±10.34年)を分析対象者とした。 質問項目:[言葉かけの自由記述]保育の7場面において,幼児が「従わない場面」を想定したシナリオを作成し,幼児にどのような言葉かけを行うかについて自由記述により回答を求めた。 【結果と考察】「おもちゃの片づけ場面」における自由記述回答について,本研究者以外の2名が内容の類似点・相違点に基づきカテゴリーに分類し,その後各自由記述がいずれのカテゴリーに該当するかについて,2名が独立して判定を行った。その結果,「制御焦点傾向(下位カテゴリー:促進・予防)」と「言葉かけの主体(下位カテゴリー;幼児・幼児以外(おもちゃ等))」の2軸のカテゴリーが得られた。制御焦点傾向×言葉かけの主体を独立変数,保育の経験年数を従属変数とした2要因分散分析を行った結果,交互作用が有意となり(F(1,106)=6.72, p=.01, 偏η2=.06),下位検定を行った結果,予防的かつ幼児以外を主体とした言葉かけを行う保育者の勤務年数が有意に高いことが示された。現場経験の豊富さが,幼児に否定的な結果が起こることを避けさせるための言葉かけを,幼児以外を主体とした表現で行うという工夫として現れる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き,現役保育士を対象とした調査を行うことができた。感染症の影響で幼稚園での長期的な観察研究は難しかったが,web調査という手段によって研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,保育者を対象とした質問紙調査や面接調査を予定している。また,感染症の流行が落ち着いてきたため,今後は実際の保育現場における長期的な観察研究を行い,これまで調査研究によって示されてきた知見の検証を行う必要がある。
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