日々の学習を通じた自己調整スキルの育成ー自己調整サイクルと習得サイクルの接合
Project/Area Number |
23K02902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
篠ヶ谷 圭太 日本大学, 経済学部, 教授 (30645289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 絵梨子 東京学芸大学, 教育学部, 特任講師(Ⅰ種) (10910036)
木澤 利英子 帝京大学, 先端総合研究機構, 助教 (20966189)
小野田 亮介 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50780136)
市川 伸一 帝京大学, 先端総合研究機構, 教授 (70134335)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 自己調整学習 / 習得サイクル / 学習方略 / 予習 / 復習 / メタ認知 / 動機づけ |
Outline of Research at the Start |
自己調整学習研究では「予見―遂行―省察」といったサイクルを回しながら学習を行う「自己調整的な学習スキル」に関して膨大な知見が蓄積されてきた。一方で,教科の知識を習得する学習は,予習―授業―復習といったサイクル構造を成しており,この「習得サイクル」と自己調整学習のサイクルの対応関係には,予習(予見)―授業(遂行)―復習(省察)といった形で対応づけるパタンと,各回の授業の中で,めあて(予見)―展開(遂行)―まとめ(省察)といった形で対応づけるパタンの2つが想定可能である。本研究では,こうした習得サイクルや授業を通じていかにして自己調整的な学習スキルを育てるかについて,実証的、実践的に検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
予習ー授業ー復習から成る習得サイクルの中での自己調整学習スキルの育成に焦点を当てた習得サイクルユニットでは,木澤(帝京大)と篠ヶ谷(日大)が共同で縦断調査を行い,自己調整的な学習行動の規定要因の一つである動機づけの変容過程を検討した論文がKATE Journalに掲載された。また,篠ヶ谷(日大)と小野田(山梨大)は,大学生を対象として授業内外での学習方略に関する実践研究を行い,予習の実施状況や授業内の学習方略が,オンライン授業と対面授業で異なることを国際学会で報告した。 個々の授業の中で自己調整学習スキルを高める授業内サイクルユニットの研究として,篠ヶ谷(日大)は学校教員と共同で実践研究を行い,歴史の記述問題を作成する演習型の授業や,複数の教科内容を関連づけた教科横断型の授業を開発した。こうした授業によって学習者の学習観や動機づけが変容することを,それぞれ教育実践論文の形でまとめ,2本の論文が日本教育工学会論文誌に掲載された。 先行研究のレビューをもとに各ユニットの知見を統合し,学習モデルおよび指導モデルの導出を担う統括ユニットにおいては,市川(帝京大学)と篠ヶ谷(日本大学)が共同し,近年の教育政策の動きと自己調整学習に関する先行研究の知見を概観した上で,教育現場に自己調整学習の考えが浸透しにくい原因について考察を行った。本論文は教育実践学会の学会誌に展望論文として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね当初の計画通りに進められている。習得サイクルユニットでは,予習と授業,および授業と復習を効果的に接続するための介入を行った実践研究も別途展開してきており,データの取得も終えた状態である。これらのデータについて,現在は,アンケートでの学習者の自由記述の内容や,授業後の振り返りの記述内容をコーディングし,分析作業を行っている。また,申請当初の計画通り,習得サイクルの確立の規定要因を検討するための調査研究を行うべく,予備調査を実施し,予習や復習を促すための教師や保護者の働きかけ,およびその背景にある信念や被指導経験に関する質問項目の収集を行った。現在は,自由記述によるデータについて,記述内容の分類とコーディングを行っている最中である。 授業内サイクルユニットでは,学校教員と共同で自己調整的な学習者の育成を目指した教科横断型授業を開発したところ,動機づけの向上や知識の関連づけが促される様子が見て取れた。また,理科の授業内で自己調整学習スキルの育成を目指した実践研究では,科学的な記事について,疑問点を振り返り,さらに自ら問いを生成した上で考えを述べる授業を展開し,効果検証を行った。さらに,高校の物理教師と共同で,文章題のリード文から予見を行い,さらに問題解決プランニングについて,他の学習者と協同で省察を行わせる授業を展開し,効果検証を行った。これらの実践研究はいずれも必要なデータも取得し終えた状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度,習得ユニットと授業内ユニットにおいて,様々なデータを取得してきているため,次年度は得られたデータについて分析を進め,学会での発表や論文誌への投稿準備を進める。また,習得サイクルの確立の規定要因に関する調査研究では,今年度行った予備調査で得られた自由記述データを分類し,質問項目の生成を行う。その上で質問紙調査を実施し,教師と保護者の働きかけや,その背景要因として存在する信念や被指導経験に関する尺度開発を行う。この質問紙調査で得られたデータをもとに尺度内の因子構造の整理を行い,質問項目を整理,修正した上で,大規模サンプルを用いた本調査を実施して,教師と保護者がいかにして習得サイクルにおける自己調整スキルに影響を及ぼしているのかを検討する。また,授業内ユニットでは,今年度,学校教員と共同で様々な授業実践を開発,展開してきているため,得られたデータを分析し,発信するだけでなく,それらの結果をもとに問題点を抽出した上で,次年度では,さらに効果的な実践の開発と効果検証を進める予定である。加えて,習得ユニット,授業内ユニットで得られた知見を統括ユニットで俯瞰的に整理し,習得サイクル内で自己調整スキルを育成するアプローチと,個々の授業内で自己調整スキルを育成するアプローチの共通点と相違点を抽出していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)