Project/Area Number |
23K02931
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤原 浩樹 山形大学, 医学部, 助教 (50433868)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 恐怖条件づけ / 恐怖記憶 / カルシウム / IP3 |
Outline of Research at the Start |
ヒトのあらゆる精神現象は神経細胞と神経細胞の間をつなぐシナプスが鍵を握る。恐怖条件づけの獲得,消去、保持これらの恐怖記憶のプロセスが障害されると、ヒトでは不安障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患を引き起こす。そこで、恐怖条件づけの認知機能と神経基盤を明らかにすることである。 記憶や情動などの高次脳機能に関する記憶の神経回路レベルのメカニズムを記憶の想起に関して行動のメカニズムに直接結びつける証拠は不十分なままである。 行動レベルと分子レベルのメカニズムとを結びつける証拠を探索することで記憶現象の特徴を明らかにし、不安障害やPTSDなどの精神疾患への治療法の考案に応用したい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
恐怖記憶の形成と消去は、ヒトのPTSD発症と治療の動物モデルとしてげっ歯類で研究され、恐怖条件づけ研究は世界的にも“恐怖記憶”制御機構の解明に注目されている。 災害を体験した後に、不安やイライラした気持ちなど誰もが心身に様々な影響を及ぼす。多くは次第に回復するが、災害時を思い出して苦しむ「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」などを発症する人もいる。現在PTSDの主な治療法として、心理療法と薬物療法が行われている。その治療法は患者さんと医師の負担が大きい持続的な消去療法が中心であるため、簡便な新しい薬物療法の開発は早急に対策する必要があり、課題となっている。患者と医師の双方の負担が大きく減少することでPTSDの治療が簡便になり、震災後などの多人数の患者に対応できる治療方法の確立が期待される。 海馬におけるシナプス伝達効率長期増強は海馬CA1領域の長期増強誘導には,後シナプス部位のNMDAグルタミン酸受容体刺激による細胞内Ca2+濃度の上昇が学習の形成に重要であることが知られている。このことからカルシウムイオンは,細胞内の情報伝達物質として重要な機能をはたしている。細胞内のカルシウムイオンの濃度を上昇させIP3受容体に結合しIP3と競合的に働き,細胞内Ca2+濃度を制御する分子として同定されたタンパク質の遺伝子改変マウスを用いることにより,記憶のメカニズムを解明することができる。 カルシウムイオン濃度の制御する分子に注目してPTSD,精神疾患へ高次機能の記憶のメカニズムを解明することを目的としている。 今年度は恐怖条件づけにおいて文脈刺激と「想起」との関連に焦点をあて,げっ歯類の恐怖条件づけ学習を行い想起障害の影響について検討し、恐怖記憶に対し獲得には影響がないが、想起に影響がある可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は行動学的手法を用いて記憶過程にどのような影響を与えるか明らかにすることができた。遺伝子改変マウスを用いて条件づけ,消去,テスト時における記憶への影響を検討した。今後は、電気生理学的手法を用いて脳の記憶のメカニズムを解明するための脳波計測を行うための予備実験を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、脳波計測を行うためのセットアップを行い動作を検証した後、神経活動を記録して脳波解析を行う。テレメーターによる脳波計測を中心に実験を行い、海馬に電極を埋め込んで神経活動記録を行うことで、より詳細な神経活動を調べる。得られた結果をもとに無拘束状態で恐怖条件づけ学習を行うことで、恐怖条件づけ時、および消去時にも詳細に検討を行いたい。
|