Project/Area Number |
23K02932
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花澤 寿 千葉大学, 教育学部, 教授 (50238044)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | ポリヴェーガル理論 / 過食傾向 / ストレス / 心拍変動 / 過食 |
Outline of Research at the Start |
ストレス状況下での過食傾向は、一般的現象だが、持続すると栄養過多による肥満やメタボリックシンドローム等の健康障害につながり、思春期青年期ではより病的なレベルの過食症にもつながる可能性がある。過食症には自傷行為や薬物乱用を伴うことも多く、その発症には共通するストレス反応メカニズムが働いていると考えられているが、予防や治療につながるレベルでの解明は進んでいない。本研究では、自律神経によるストレス反応に関する新理論である「ポリヴェーガル理論」を適用することで、ストレスが過食を誘発する自律神経反応のより精緻な検討と、過食反応そのものの予防及び抑制手法の開発を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1)ポリヴェーガル理論についての学習及び先行研究の検討 ポリヴェーガル理論の概要、同理論への批判も含めた現時点での理論の問題点や今後必要となる検討事項、ポリヴェーガル理論を応用したリラクセーション技法やセラピー技法についての文献、先行研究を収集し検討した。 2)ポリヴェーガル理論による摂食障害の病理理解の可能性についての検討 ポリヴェーガル理論を含めた自律神経機能と摂食障害の関連をテーマとした文献を収集し、検討を行った。その成果を踏まえ、ポリヴェーガル理論を援用することで摂食障害の精神病理についてあらためて検討、考察を行った。成果の一部は、摂食障害関係の研究会にて発表した。 3)ストレス性過食と関連する心理傾向についての質問紙法による検討 女子大学生を対象に、十分な説明を行い同意を得た対象者に対して、質問紙法を用いてストレス性過食と関連する心理傾向・状態の関係についての分析を開始した。質問紙は、過食傾向(BITE)、解離傾向(DES2)、身体感覚への気づき(FFMQ)、気分状態(POMS2短縮版)を用いた。データを集計し、統計分析を行っている(進行中)。 4)迷走神経機能の生理学的評価法についての準備 自律神経系の機能評価としての心拍変動の利用について文献検討を行い、具体的な検査、評価方法について検討した上で、心拍変動測定装置及び解析用ソフトウェアを購入し、測定、解析についての準備を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の要であるポリヴェーガル理論について、文献及び参考資料を可能な限り入手し、その詳細と、本研究に適用するにあたっての留意点について整理できた。 また、その知見と、従来から重ねてきた摂食障害の精神病理学的な理解を統合することで、ポリヴェーガル理論を用いた摂食障害およびストレス性過食の理解と対応の可能性について検討することができた。成果の一部は、摂食障害関連の研究会において発表した。 今年度予定していた質問紙法についても、ほぼ予定通り実施し、分析が進行中である。令和6年度に本格的に実施予定の、心拍変動分析についても、背景となる基礎理論や測定法についての文献的検討を行い、測定機器、測定環境、分析法についての検討を重ねている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度、質問紙法の対象者をさらに増やして分析を重ねる予定である。その結果を分析し、ストレス性過食に関連する心理状態を明らかにすることを試みる。特に、ポリヴェーガル理論が主張する、背側迷走神経系緊張との関連が考えられる解離状態、身体感覚への気づきの鈍さ等と、ストレス性過食の関連について関連の有無を検討する。 ポリヴェーガル理論を理論的な根拠として行われているリラクセーション法についてあらためて検討、分析し、ポリヴェーガル理論をストレス性過食の予防に結びつけるうえで望ましいリラクセーション技法をまとめ、プログラムを作成する。 リラクセーション技法の効果について、心拍変動分析および質問紙を用いて評価する。パイロットスタディを経てリラクセーションプログラムを完成し、令和7年度に本格的な実施、評価と研究のまとめを行う。
|