Project/Area Number |
23K02953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
高松 直岐 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, リサーチフェロー (20974041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 真前 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 客員研究員 (30625223)
久我 弘典 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, センター長 (50639903)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | コロナ後遺症 / 予測不能性 / 役割変化 / 孤立 / 理解不足 / 生活基盤変動 / 倦怠感 / 認知行動療法 / Post-COVID-19 fatigue / CBT |
Outline of Research at the Start |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の中で、複数のメタ解析において倦怠感・疲労感(Post-COVID-19 fatigue)が最多でみられることが報告されている。本研究は、コロナ後遺症の中でも生活への影響が甚大な倦怠感の病態を明らかとし、これに対する治療法の開発を試みる。文献レビュー及びそれを踏まえた質問紙調査とインタビュー調査によって、コロナ後遺症の倦怠感との類似性が指摘されている筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)との異同を整理する。この病態整理に基づいて、コロナ後遺症の倦怠感に特化した心理介入プログラムを作成し、その実施可能性と安全性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)文献レビュー コロナ後遺症の多彩な症状をいくつかの症状群として捉える試みが多数報告されている。倦怠感と認知機能障害は最も頻度が高い症状として知られ、これらはしばしば年単位で持続する。また、精神神経症状を含む群は層別化されて特徴を持つことも多い。女性、高齢、肥満、不安や抑うつなどがリスク因子として報告される。 2)実態調査 46名のアンケート調査と、20名のインタビュー調査を行った(女性61%、平均年齢43歳)。約2割でコロナ感染を契機に精神科治療を開始し、3割に離職がみられた。症状の有病率は、倦怠感(96%)、ブレインフォグ(91%)、不安(89%)、抑うつ(78%)、不眠(67%)であった。倦怠感とブレインフォグの症状ピークはコロナ感染から共に中央値3か月で、寛解は2-3割でみられ、寛解までの期間は中央値で約13か月であった。非寛解群の有症状期間はそれぞれ中央値21.5か月、14.5か月であり、この期間中の症状の軽快の程度は共に中央値50%であった。ブレインフォグによる日常生活への支障は、「仕事」(76.1%)、「重要な判断を行う」(69.6%)、「考えを伝える」(69.6%)で最も頻繁に報告された。困りごとに関する感情のコーディングでは93%が否定的な発言に分類された。クラスター分析により以下の4つの群に回答が分類された。「予測不能性」:動揺性の経過で見通しがつかない感覚、「役割変化」:各種制限による負担、「孤立・無理解」:理解されない感覚による孤立、「生活基盤変更」:生活・経済基盤変化の苦しみ。今後の治療に求めることとして、「有効な治療法」、「適切な情報」、「医療の対応改善」、「理解」の順で挙げられた。認知行動療法の治療形式としては、一回45分(30-60分)のセッション、全8-12回、対面を基本とするも状況に応じてオンラインを可能とするハイブリッド形式が望まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた文献レビュー及び実態調査(アンケート・インタビュー調査)は終了した。当初はアンケートの目標サンプル数を250件としていたが、本年度では46件に留まった。これはアンケートの対象者と考えていた別のコロナ後遺症患者のレジストリ研究(PSCORE-J:患者レジストリの構築と病態解明及び新規治療法の開発に資する研究)でのリクルートが登録目標としていた数に至らず遅れが発生したため、本研究における対象者の協力も想定より下回った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で得た知見に加えて、より系統的に文献レビューを行いつつ、コロナ後遺症の倦怠感や精神症状に治療の焦点を置いた認知行動療法のプログラムを作成していく。
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