Project/Area Number |
23K02971
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
|
Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
岡本 かおり 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (20736425)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 犯罪被害者支援 / 支援者 / 二次受傷 / 代理受傷 / 質的研究 / レジリエンス |
Outline of Research at the Start |
犯罪被害者支援に携わる支援者は、支援を通して被害者と同様の心の傷を負うことがあり、代理受傷(二次受傷)と呼ばれる。本研究では、支援者の代理受傷について、質的調査を行い、その様相を明らかにし、埋もれている課題を探る。また、支援者はその傷つきから、どのように回復・変容するのか、支援者のレジリエンスについても明らかにする。それらを基に、支援者個人のメンタル・ケア、同僚のピア・サポート、組織の運営に関する心理教育教材と研修、運営の指針を作成し、複数の支援団体で実施し、効果を検証する。支援者の代理受傷を予防し、レジリエンスを向上させることにより、被害者支援全体の質の向上を狙う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、犯罪被害者支援に携わる支援者に生じる、被害者と類似した心の傷(代理受傷・二次受傷と呼ばれる)とその回復について明らかにし、支援者のセルフ・ケア、ピア・サポート、組織運営に関する運営指針等を作成し、代理受傷に関する研修等を行い、支援者支援の体制を強化することにより被害者支援全体の質の向上を狙うものである。 まず、支援者の代理受傷についてはその全体像が明らかになっていないため、支援者を対象に質的調査を行い、支援者は支援によって心が傷つくことがあるのか、その場合はどのように傷つくのか、その傷つきからどのように回復・変容するのか、また支援者のレジリエンスについても明らかにしたい。 2023年度は、犯罪被害者等の支援者を対象に、支援を通しての体験と、それによって自己が変容したと感じたことはあるか等、具体的なエピソードの収集を目的とした。その準備として、4月までにこれまで収集した資料を基にインタビューの質問項目を作成し、参与観察調査と併せて、学内の倫理審査に申請し承諾を得た。その後、関係機関にインタビュー調査および参与観察に関する説明を行い、調査について了承を得た。 2023年5月~2024年3月にかけて、ワンストップ支援センター1個所、犯罪被害者支援センター2個所の参与観察を開始した。また、2023年8月よりワンストップ支援センターの支援者とインタビュー調査を開始し、2024年3月に終了した。終了したインタビューの逐語記録化を進め、参与観察の結果と合わせ支援者の代理受傷の分析を開始したところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューは一部で実施済みだが、調査協力機関の業務多忙によりインタビュー実施に遅れが生じている。また、参与観察では支援困難場面や支援者の感情が吐露される場面は複数観察されたが、支援者の代理受傷を把握できるほど多様なデータの収集に至ったとはいえず、参与観察による更なるデータ収集が必要と思われる段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、既に収集したインタビューの逐語記録の分析を進めつつ、調査協力機関と余裕をもって日程調整を行い、4~9月にインタビューを実施する。また、支援者の状況を把握するため、本年度内は可能な限り参与観察を行い、代理受傷に関するデータを更新する。10月~12月インタビュー結果を分析し、1月~3月心理教育素材と研修内容を作成する。参与観察の結果は随時インタビューの分析とすり合わせを行い、支援者の代理受傷の様相を明らかにする。2025年度4~9月に支援者の代理受傷の予防について支援機関にて研修を実施、フィードバックを受け、心理教育および研修内容を修正する。
|