Project/Area Number |
23K02974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
清水 亜紀子 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (30509352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉西 宏 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (40624284)
中野 祐子 帝塚山学院大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (90441097)
野口 寿一 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (90710939)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 悲嘆夢 / 遺族ケア / 語り / 喪の作業 |
Outline of Research at the Start |
近年、悲嘆夢の研究が欧米で始まり、喪の作業の指標になるとの見解や悲嘆夢の治療的機能が既に示されている。しかし、これまでの悲嘆夢の研究は、多くの夢を取集して類型化する基礎的な研究と、心理療法での夢の理解や縦断的な調査研究での事例研究の二つに大別され、研究手法としても質的研究に留まっている。そこで、本研究では、①喪の作業における悲嘆夢を語り共有することの臨床的意義、②遺族ケアにおける悲嘆夢の臨床的な活用方法はについて、実証的研究に基づいて明らかにする。この研究によって、悲嘆夢を遺族ケアの安全なアプローチの一つとして提示し、遺族ケアについての新たな知見をもたらすことが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,遺族を対象に,オンラインによる個別面接調査を実施した。そこでは,8名の協力者から計14個の悲嘆夢を得る(出現率87.5%)とともに,悲嘆夢をめぐる語りを聴くことができた。その後,研究会で,個々の調査事例について,細やかに事例検討を行い,夢見て手にとっての悲嘆夢の意味について深く議論することができた。その結果,山本・岡田(2013)をはじめとした先行研究における悲嘆夢の分類においては,「夢主と故人との関係性」が軸に置かれることが多かったが,夢主自身の心理的課題など,悲嘆夢は多くのものを内包していることが明らかとなった。これらを踏まえて,Jung,C.G.の言う客体水準に相当するだろう「夢主と故人との関係性」だけでなく,主体水準からも悲嘆夢を捉えていくことで,個性化の観点からも悲嘆夢を捉え,遺族ケアに活かしていく視点が重要であることが示唆された。また,1回限りの個別面接調査を実施することで,悲嘆夢の様相をある程度掴むことができた,悲嘆夢の数が限られているため,より多くの悲嘆夢を収集することによって,悲嘆夢の全体像を掴んでいく必要性があることが確認された。さらに,1回限りの個別面接調査では,悲嘆夢を語る意義については十分に議論できないため,今後継続的な個別面接調査を実施し,聴き手との関係が,悲嘆夢にどのような影響を与えるのか,そして,悲嘆夢をどのように活用することが遺族ケアにつながるのかについて検討していく必要性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の個別面接調査とその調査事例の検討を通して,故人にとって悲嘆夢がどのような働きをするかについての理解が深まり,2025年度の大規模Web調査と継続的な個別面接調査に向けたイメージが明確になりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度の研究データを解析し,それをもとに,研究成果の公表を進めていく。具体的には,日本心理臨床学会第43大会で,会員企画シンポジウム『悲嘆夢を語ることの臨床的意義と可能性について-悲嘆夢の活用を通して,一人ひとりの心に寄り添う遺族ケアを目指して-』を開催し,日本箱庭療法学会第37大会で,研究発表『悲嘆夢を巡る語り-遺族ケアへの活用を視野に入れた調査事例から-』を行う予定である。また,遺族を対象とした,大規模Web調査と継続的な個別面接調査の準備を進めていき,2025年度の実施を目指す。加えて,研究データをもとに,遺族ケアにおける悲嘆夢の活用について提言をしていきたい。
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