Project/Area Number |
23K02979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
岐部 智恵子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80770502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 径一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30435721)
平野 真理 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50707411)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | LGBT / メンタルヘルス / 交差性 / SOGI多様性 / レジリエンス / 参加型アクションリサーチ |
Outline of Research at the Start |
LGBT当事者は,性的マイノリティであることに加え,精神疾患や発達障害などの複合的マイノリティ要因を抱えることが少なくない。このマイノリティの交差性は,セルフフスティグマを形成し,さらにメンタルヘルスの悪化に至ることもあるが,当事者の専門機関へのアクセスは容易ではなく,包括的支援に向けた研究が急務である。本研究では(1)スティグマの内在化を測定する心理尺度を開発すること,(2)交差性に着目して当事者の適応要因とプロセスを見出すこと,(3)当事者の視点を反映させた支援モデルを構築することを目的とし,当事者支援に取り組む実践家との協働を通し,参加型アクションリサーチを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,性的マイノリティに関する認知は高まっているが,当事者たちは日常的にマイノリティストレスを経験し様々な困難から精神疾患に至ることも多い。本課題では(1)精神疾患/障害を経験した当事者にインタビューを行い、交差性の観点からリスクとレジリエンスに関連する要因を明らかにすること,(2)当事者がかかえやすいセルフスティグマに焦点を当てた心理尺度を作成し適応プロセスを検討すること,(3)当事者の視点を反映させた支援モデルを構築し実証的に検討することを目的としている。 今年度は、ピアサポートグループを通じて研究協力を依頼し、35名(年齢範囲22~71歳、平均年齢=46.14歳)を対象にインタビューを行った。SOGIに関する情報、病歴、LGBTQ+であることの困難や立ち直りの経験について半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いてデータ分析を行った。調査協力者は多様なSOGIを自認すると共に,経験したメンタルヘルス問題は多岐にわたり、発達障害を報告する当事者も少なくなかった。インタビューの結果から、精神疾患や障害をもつ複合的マイノリティ当事者として支援を受けることが難しい現状や、LGBTQ+コミュニティの中でも居場所を見出だしづらい実情も見えた。一方、様々な逆境を経て自分なりの在り方を模索し、他者を支える存在として力を尽くしている姿も確認された。 また,初年度からの2年間で当事者が経験するスティグマの内在化に焦点を当てた心理尺度の作成を行う予定であり,今年度は文献研究を進めた。2年目となる次年度は海外の先行研究を参考に本研究の対象者に適用可能なようにセルフスティグマ尺度を翻訳し、日本語版として作成することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通りインタビュー調査は多くの当事者の協力を得て進めることができた。また,尺度作成については2年間の計画のうち,前半となる文献研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査から得られたリスクとレジリエンスに関する要因は,LGBTそれぞれの属性や当事者の持つ交差性により多様であることが示された。今後は性的マイノリティの枠組みで一括せず,適応プロセスを丁寧に描き出せるよう質的分析を進める。また,セルフスティグマ尺度の作成については,日本語版作成の手続きを進め,妥当性と信頼性の検証まで進める。
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