Project/Area Number |
23K03018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
澤 幸祐 専修大学, 人間科学部, 教授 (60407682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 考司 専修大学, 人間科学部, 教授 (60452629)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 表象 / 連合学習 / 随伴性判断 / 一対比較法 / 数理モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、心的過程の持つダイナミズムを刺激表象間の力学的相互作用とみなし、その定式化を目指す。信号刺激と結果事象の随伴性判断事態を用い、信号・結果間の随伴関係や確率関係を操作しつつ、到来・非到来の予測による一次元的評価に加えて、「刺激と刺激の類似性」あるいは「刺激Aと刺激Bではどちらが有効な信号か」といった類似性判断や一対比較による評定に多次元尺度構成法を適用し、実験刺激を多次元空間内に付置する。学習経験によって実験刺激の表象が多次元空間内における「運動」と、その運動を引き起こす「力」を随伴性や確率関係によって表現し、「心的世界の力学」を実証的に構築することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、刺激間の随伴関係や確率関係に関する学習の研究において行われてきた随伴性判断課題を用い、学習経験によって刺激間の関係性が変化するダイナミズムを数理的に記述することである。随伴性判断課題においては、「食物とアレルギー反応の関係性」といったカバーストーリーのもとで、特定の食物がどの程度アレルギー反応を引き起こすか評定させるという方法がとられてきた。本研究では、こうした典型的な方法の問題点を克服するために一対比較法を用いて刺激間の仮想的な空間関係を検討することを目的としているが、新規な手続きによって得られるデータの妥当性を担保するために、まずは従来型の手続きによる予備検討を行った。 7種類の食物刺激とアレルギー反応の生起について、通常の対提示、隠蔽、阻止といった連合学習研究においてよく知られいる現象に関する随伴性判断実験を行ったところ、通常の対提示手続きにおいては高い予測判断が生じ、隠蔽や阻止においては統制条件に比べて弱い予測判断が確認された。こうしたアレルギー反応の予期に関する実験参加者の評価は、従来知られている結果とよく整合した。この結果は本研究において用いる手続きにおいても基本的な現象が追試可能であることを示すものである。 今後は、今年度の結果を踏まえ、本研究の中心的関心である一対比較法を用いたデータの収集および多変量解析を用いた表象空間の構成と力学的構造の理論化を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は主に、実験課題の妥当性に関する検証と理論的問題に関する考察を行った。当初目的を達成するために必要な実験手続きの妥当性について確認が行えた。また、研究分担者はデータ解析のために必要な多次元尺度構成に関する分析用のRパッケージの作成を終えており、問題の核心部分に関する実験は今後の課題ではあるものの、研究は順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、随伴性や確率に関する推論の研究で広く用いられてきた信号刺激と結果事象の随伴性判断事態において、類似性判断や一対比較による評定に多次元尺度構成法を用いることで、実験刺激を多次元空間内に付置し、心的過程の持つダイナミズムとしての複数の刺激表象間の力学的相互作用を定式化することである。 現時点で、これまでに知られていた先行研究との整合性が得られたことから、今後は一対比較による刺激間の類似性判断のデータを取得する実験を推進する。あわせて、当初予定どおり研究分担者との共同で多次元尺度構成による表象空間の構築、およびシミュレーション研究を進める。実験の実施についてはオンライン実験などを通じてより効率的に多くのデータを収集する予定であり、研究の加速を図る。
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