Project/Area Number |
23K03044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 圭司 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30229546)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 超幾何関数 / 保型形式 / 保型関数 / 周期写像 / 超幾何微分方程式 / モノドロミー表現 |
Outline of Research at the Start |
ヤコビの公式は、あるパラメーターの超幾何級数の変数に保型関数のλ関数を代入すると保型形式のテータ関数になるというもので、その公式の他分野への応用が多数知られている。この研究では、超幾何級数がみたす超幾何微分方程式やその一般化を用いて、(一般化された)超幾何関数と(多変数)保型形式との間に成立している関係式や公式を見つけ出し、それらの関数方程式論, 数論, 表現論, 等への応用を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、ある種の超幾何関数に保型関数を代入することで保型形式を作成し、得られた保型形式の性質を超幾何関数から調べたり、保型形式の性質から超幾何関数の性質を調べることが主題である。現在知られているそのような保型形式の多くが、代数曲線族に対する周期写像を介して得られている。 そこで、1次複素射影直線の6点で分岐する巡回4重被覆として与えられる種数6の代数曲線 C の族に対する周期写像を指導している大学院生と共同で詳しく調べた。この曲線の整数係数1次ホモロジー群の基底を与え、この曲線に作用する位数2の被覆変換の (±1) 固有空間の構造を解明した。また、代数曲線 C 上の正則1次微分形式がなす線形空間の基底と上記の被覆変換の作用に関する(±1) 固有空間の基底を与えた。 ここで得られた (-1)固有空間たちを用いて、代数曲線 C から C のプリム多様体へのアーベル・ヤコビ・プリム写像を構成した。その写像の周期を考察することで、代数曲線 C の族のモジュライ空間である複素平面の5点配置空間から4次ジーゲル上半空間に埋め込まれた3次元複素超球への周期写像を構成した。 そして、その周期写像の逆写像をプリム多様体上のテータ関数をアーベル・ヤコビ・プリム写像により代数曲線 C に引き戻して得られれる局所正則関数を用いて構成した。その構成においては、得られた局所正則関数は代数曲線 C 全体に解析接続すると一価関数にはならないが、多価性を打ち消し合うような組み合わせを見つけ出し、それらの比で代数曲線 C 上の有理型関数を構成し、代数曲線 C の分岐点の情報を取り出している。 以上の結果から超幾何保型形式が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超幾何保型形式の研究の土台となる代数曲線族に対する周期写像とその逆写像の構成まで進んでいるが、超幾何保型形式を作成するには至っていない。この研究に関する論文や研究集会における発表等の実績が今年度中はなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究で得られた代数曲線族に対する周期写像とその逆写像を用いて、超幾何保型形式を構成を目指す。超幾何保型形式が得られた場合は、その性質を詳しく調べ、数論を主として他の分野への応用を目指す。超幾何保型形式が得られなかった場合は、別の代数曲線族の周期写像とその逆写像を構成し、超幾何保型形式を構成を目指す。 また、超幾何保型形式を生み出す可能性を有する超幾何微分方程式系の研究を行う。
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