Project/Area Number |
23K03060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
吉澤 毅 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (00636194)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | セール部分圏 / ねじれ理論 / Serre 部分圏 / Melkersson 部分圏 / 連結ねじれ対 |
Outline of Research at the Start |
部分圏の分類問題は、多分野が共有する課題である。分類研究の起源は、特別な Serre 部分圏(局所部分圏)のねじれ理論における分類である。しかし、ねじれ対の数の不足により、局所部分圏以外の Serre 部分圏の分類は実現されていない。 本研究では、局所部分圏を含む概念である Melkersson 部分圏と安定 Serre 部分圏の特徴づけ・構造解析・分類を行う。本研究の特色は、連結ねじれ対を用いるという新たな手法にある。 一方、分類研究は、局所コホモロジー加群の消去元の存在を導くなど、理論の見通しを良くする。本研究で扱う部分圏に関しても、局所コホモロジー加群の構造解析への応用が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
加群圏のねじれ対や三角圏のt構造の研究分野では、「ねじれ対から別のねじれ対を構成する方法」や「t構造から別のt構造を構成する方法」を確立することが、興味深い研究テーマの一つである。 これまでの研究成果として、通常のねじれ対の概念の拡張である「セール部分圏による連結ねじれ対」を導入した。さらに、通常のねじれ対にセール部分圏を貼り合わせる手法により、通常のねじれ対から連結ねじれ対を構成する方法を与えた。 これらの研究成果に関連して、令和5年度は下記の研究成果(1)および(2)を得た。現在、6月上旬に投稿予定の論文としてまとめる作業を行っている。 具体的には、「連結ねじれ対から通常のねじれ対を構成することは可能であるか」という、これまでの研究課題とは逆方向の問題に取り組んだ。今回の研究では、構成する通常のねじれ対の候補として、セール部分圏による連結ねじれ対の左変異・中央変異・右変異と呼ばれる対の概念を導入した。この概念は、連結ねじれ対の核と呼ばれる連結部分としてのセール部分圏をどのように分離するのかによって、3つの異なる対(変異)を与えるものである。 この研究の成果として、(1)「連結ねじれ対を上記のように変異させて得られる新しい対が、通常のねじれ対になるための必要十分条件」を与えた。言い換えれば、「セール部分圏を用いて、連結ねじれ対から通常のねじれ対を構成する方法」を与えた。またその副産物として、(2)「セール部分圏を用いて、通常のねじれ対から別のねじれ対を構成する方法」を与えた。具体的には、「まず初めに、通常のねじれ対をセール部分圏で張り合わせて、連結ねじれ対を構成する。次に、構成した連結ねじれ対を別の位置で分離する」という操作を行う。この操作により、最初のねじれ対とは異なる新しいねじれ対を構成する方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究として、通常のねじれ対の概念を拡張し、「セール部分圏による連結ねじれ対」の概念を導入した。この新しいねじれ対は、局所コホモロジー論に応用可能なメルカーソン部分圏や、表現論におけるねじれ対の区間の核にも関連していることが証明できている。 ねじれ対の変異に関する今回の研究成果により、「ある条件の下では、セール部分圏を利用することで、通常のねじれ対と連結ねじれ対を双方向に構成できる」ことが判明した。これは、「通常のねじれ対と連結ねじれ対の性質を相互に利用しながら、ねじれ対の構造を解析する」という研究の新しい方向性を与えるという点で、大きな前進といえる。 以上の研究成果を踏まえ、進捗状況としてはおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
「連結ねじれ対をすべて記述することは可能か」という連結ねじれ対の分類研究は、通常のねじれ対やt構造の分類研究と比較して、未解明な部分が多い。今回の研究成果である「ねじれ対の変異の確立」により、通常のねじれ対と連結ねじれ対の間の組み換えが可能になった。そこで、「これまでに分類されてきた通常のねじれ対を変異させることにより、どれほどの連結ねじれ対の構成が可能か」、「通常のねじれ対をどのように変異させても構成が不可能な連結ねじれ対は存在するか」という問題は、通常のねじれ対の分類研究とも関連する興味深い研究課題である。今後は、これらの問題を中心に引き続き研究を推し進める。
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