Project/Area Number |
23K03070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 亮 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (40447719)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 分解部分圏 / 特異圏 / Ulrich加群 / 擬直可約極大イデアル / DHKK複雑量 / depth formula / 導来圏 / 正標数 / 可換環 / Noether環 / 部分圏分類 / Rouquier次元 |
Outline of Research at the Start |
圏(集合のようなもの)が与えられたとき、それの充満部分圏(部分集合のようなもの)のうち適切な条件をみたすものをすべて分類する・決定するという問題が考えられる。これは、数学の複数の分野にまたがって60年以上にわたり多くの研究者によって調べられてきた重要な問題である。本研究は、可換Noether環上の有限生成加群の有界複体全体のなす導来圏という特定の圏に対してこの問題を考察することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) 分解部分圏に関して以前得た結果を局所コホモロジーの余有限性問題に応用し、Bahmanpourの問いに一つの肯定的解答を与えた。(2) 可換ネーター環の各元が特異圏において零射で作用する対象全体のなす部分圏を調べた。特異圏の分解定理を示し、特異圏のRouquier次元の上限を与えた。(3) 新しいUlrich加群の概念を導入した。古典的なUlrich加群と異なりいつでも存在すること、それでいて古典的なUlrich加群の持つ性質を数多く維持することを示した。(4) 擬直可約極大イデアルをもつ環の図式による完全交差の特徴付けを与えた。また、有限単純グラフから自然に発生する完備局所環が擬直可約極大イデアルを持つことを示した。(5) 完全交差局所環に対し、その有限生成加群の有界導来圏のpreaisleのうち直和因子で閉じ環を含むものを完全に分類した。Stevensonの分類定理、Dao-Takahashiの分類定理を復元した。(6) Iyengar-Takahashiの問いの解答を与え、正標数のF有限なネーター環の強生成元をFrobenius順像を用いて具体的に与えた。(7) 特異圏のDimitrov-Haiden-Katzarkov-Kontsevich複雑量が零でない範囲が有界になることを、Krull次元が有限でGorensteinなJ-2環などの比較的弱い仮定をみたすいくつかのケースで示した。(8) Extの高次消滅が対称にならないGorenstein局所UFD、depth formulaをみたさないGorenstein局所UFD、環との正のExtが消滅する非全反射加群を持つCohen-Macaulay局所UFDを(等標数かつ孤立特異点を持つかたちで)構成した。(9) 局所環の導来圏を環と剰余体で割ってできる三角圏が加法生成元を持つための必要条件および十分条件を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたことはいずれも研究題目そのものに関する研究成果であるか、研究題目と密接に関係する研究成果である。たとえば、(2)および(7)で述べたように、可換ネーター環の特異圏の分解定理とRouquier次元の上限が得られ、Dimitrov-Haiden-Katzarkov-Kontsevich複雑量が零でない範囲の有界性が弱い仮定のもとで示されたが、これらの成果は特異圏の構造の理解に進展をもたらすものである。また(5)で述べたように、完全交差局所環の導来圏のpreaisleのうち直和因子で閉じ環を含むものを完全に分類したことで、導来圏の構造の理解が大いに進展したと言える。また(6)で述べたように、正標数のネーター環の加群圏の強生成元をFrobenius順像を用いて具体的に与えたが、加群圏の強生成元は導来圏の強生成元でもあるので、これは導来圏の構造の理解の進展をもたらすものである。さらに(9)で述べた、局所環の導来圏を環と剰余体で割ってできる三角圏が加法生成元を持つための必要条件および十分条件も、導来圏の構造の新しい理解を与えるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も可換ネーター環上の有限生成加群の有界導来圏の構造解析およびそれに関連する研究に取り組む。超曲面局所環の一般化である支配的局所環(dominant local ring)に対して、導来圏のthick部分圏を考察する。具体的には、任意の素イデアルで局所化して支配的局所環になるような可換ネーター環、つまり局所支配環(locally dominant ring)の特異圏のthick部分圏は完全分類が既に終わっているので、それを用いて局所支配環の導来圏のthick部分圏の分類を試みるのが有効であると考えている。また、申請書の研究計画に記載したultimate dimensionの上界の研究にも本格的に着手する。具体的には、孤立特異点をもつ超曲面局所環に対してBallard-Favero-Katzarkovによるultimate dimensionの上界を得る手法の詳細な分析し、超曲面という条件がどれだけ本質的な役割を果たしているのか模索することから始める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(28 results)