Project/Area Number |
23K03081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井ノ口 順一 北海道大学, 理学研究院, 教授 (40309886)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ローレンツ群 / 調和写像 / ループ群 / 等質構造 / グラスマン幾何 / 磁場軌道 / サーストン幾何 / 反ド・ジッター空間 / 双曲空間 / 平均曲率一定曲面 / ローレンツ幾何 |
Outline of Research at the Start |
3次元幾何学には8種の基本となる空間(モデル空間)が存在する(サーストンの分類)。 定曲率空間でない5種のモデル空間の微分幾何学の展開が熱望されているが、モデル空間の対称性の低さが障害となり困難を極めている。本研究の目的は非定曲率モデル空間内の平均曲率一定曲面の構成理論の構築である。本研究では3次元反ド・ジッター空間(AdS3)内の平均曲率一定曲面ループ群論的構成法を確立し、その構成法を非定曲率モデル空間への摂動し非定曲率モデル空間内の平均曲率一定曲面を構成することを具体的目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要課題である「ループ群とローレンツ幾何による等質空間内の平均曲率一定曲面の構成」に関し、等質空間の幾何学の観点から研究を遂行し以下の研究成果を得た。
(1)双曲平面H2と直線の直積であるH2xRはサーストン幾何学におけるモデル空間の一つでありローレンツ群SO(2,1)と直線の直積群SO(2,1)xRを等長変換群にもつ。また可解リー群の構造を備えている。以前の研究において8種の空間の軌道型曲面のグラスマン幾何の存在問題を解決した。過去の研究成果を再精査し、H2xRの軌道型曲面はH2xRの平均曲率一定曲面の基本的な例を与えることが確認された。この発見を出発点とし、可解リー群の構造とグラスマン幾何の理論を組み合わせることにより軌道型曲面を全て具体的に記述することに成功した(内藤氏との共著論文を準備中)。(2)H2xRのグラスマン幾何に関連し、前研究課題(19K03461)ではH2を等質部分多様体または複素部分多様体として含む4次元等質空間の部分多様体論を創始した。前研究課題において得られていたSol4_0およびSol4_1の極小部分多様体の(いくつかの条件下での)分類を改良し、研究成果を論文として発表した。(3)リーマン幾何学に類似をもたない3次元ローレンツ多様体の例であるウォーカー多様体の調和写像論および部分多様体論に着手した。第一歩としてウォーカー多様体の測地線と磁場軌道の部分的な分類結果を得た(Erjavec氏との共著論文を準備中)。(4)3次元ベルジェ球(Berger sphere)の標準的な接触構造に関する磁場軌道の等質性を証明した(Munteanu氏との共著論文を準備中)。(5)これらの研究の派生的な研究成果として3次元佐々木空間形の等質リーマン構造の分類に成功した(大野優氏との共著論文を準備中)。研究成果(4)に関し、研究発表(口頭発表)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究方針は研究期間全体を通じた目標である「3次元反ド・ジッター空間AdS3の平均曲率一定曲面の構成と、それを基軸とする他の等質空間内の平均曲率一定曲面の構成」へ向けた第一歩としてH2xRのグラスマン幾何を出発点とした。AdS3のローレンツ計量は連続変形でSL(2,R)の標準的リーマン計量に変形される。さらにSL(2,R)の平均曲率一定曲面とH2xRの平均曲率一定曲面の間に局所的な等長対応が存在する。この事実に着目し、AdS3が不定値計量であることから生ずる技術的困難点に埋没しないため、リーマン計量対称空間であるH2xRをテストケースとして活用した。H2xRの基本的な平均曲率一定曲面を捉えるためグラスマン幾何学を用い「軌道型曲面の分類」およびそれらの曲面の具体的記述に成功した。この研究過程で派生した他の研究課題についても一定の成果を得ることができたことから「おおむね順調に進展」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のグラスマン幾何を用いた研究成果を次年度の出発点とし「調和写像によるHxRの曲面の構成」と「HxRのグラスマン幾何」の統合を主眼として本研究課題を遂行する。また並行して他の3次元等質空間の平均曲率一定曲面の具体例の構成にも着手する。4次元等質空間の幾何学、磁場曲線、工業意匠設計、建築構造設計、情報幾何学への応用も継続して適宜、検討する。研究の進展・競合する研究者の成果発表・研究動向に応じて臨機応変に研究順序などを修正し対応する。
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