Project/Area Number |
23K03098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 昌治 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (10361784)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 特異点 / 無限遠の特異点 / 円作用 / 3次元多様体 / 4次元多様体 / 多面体 / 接触構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では3次元および4次元多様体からの写像や特異平面曲線の大域的研究をTuraevのshadow,A'Campoのdivide,特異点の摂動と解消,超平面配置等に着目して進め,低次元多様体全般に通用する情報記述の枠組みを構築する.これらの記述は接触構造やシンプレクティック構造の記述に応用することができ,組み合わせ的記述と幾何構造を結びつける役割を果たす.また,これらの幾何的な対応を高次元の枠組みに適用することで,一般次元の多様体間の写像の研究への応用を与える.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3次元および4次元多様体から平面への写像や特異平面曲線の大域的研究を進め、特異点論および多様体論全般に通用する情報記述の枠組みを構築することである。当初の予定では特異平面曲線のdivide表示などから研究の足掛かりを作る予定であったが、多項式写像の無限遠の特異点の組み合わせ的な特徴付けの研究、および高次元球面への円作用の位相的研究に進展の要素が見られたので、それらの研究を進めることとした。円作用については、重み付き複素多項式写像が定める特異点のリンクが円作用を自然に許容することを念頭においたもので、今後の研究で複素特異点の位相的研究に繋げる予定である。 無限遠の特異点の研究においては、実3変数多項式写像の無限遠の特異点を組み合わせ情報を用いて具体的に読み取る研究を進めた。半径の十分大きい球面上を多項式の情報からいくつかの領域に分け、その上でのベクトル場のindexによって無限遠の特異点の存在を判定できることを示した。一部の結果は3変数以上の多項式写像にも拡張可能である。この結果については、プレプリントにまとめ、arXivより公開済みである。 円作用の研究については、4次元球面上の円作用に対し不変となる2次元結び目(branched twist spin)の分類を進め、arXivより公開した上で、結果をさらに精査して論文の修正作業を行っている。 また、ベルン大学のSebastian Baader氏と平面曲線の無限遠のリンクとカスプ特異点の間に張られる曲面の種数に関する研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では特異点のisolationに着目して研究を進める予定であったが、他の研究者との研究環境の都合で、無限遠の特異点および円作用に重点を置いて研究を進めることにした。無限遠の特異点の研究についてはプレプリントの公開まで進めることができ、円作用については、プレプリントを公開した上で、研究の精査を進めている。円作用の研究については、論文公開後、論文を受けてHillmanが論文を執筆し、公開するなど海外からの反応も受けている。国内でも講演の打診があるなど、注目される研究結果となっている。今後の研究の足掛かりにもなる結果であり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。 また、Sebastian Baader氏との共同研究は平面曲線の大域的性質を低次元トポロジーの知識を使って調べるものであり、今後の研究に新しい視点を与えるものと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究で得られた4次元多様体の円作用についての研究は、特異点論と幾何を結びつける研究成果であり、今後の進展が期待できる。3次元および4次元多様体から平面への写像や特異平面曲線の大域的研究の高次元化への道筋として、円作用の研究の高次元化を行う。具体的には、branched twist spin の構成方法を高次元の結び目にも適用し、円作用で不変となる高次元結び目を導入する。円作用をもつ特異点としてはBrieskorn特異点が良く知られており、branched twist spinにより構成された高次元結び目と特異点のリンクとを比較することで、低次元トポロジーの視点を一般次元の特異点の位相型の研究に結び付ける。 無限遠の特異点の研究については、3変数多項式の無限遠の特異点の組み合わせ的な特徴付けに成功したので、この結果を一般の変数の場合に拡張することを試みる。その際に複素構造やシンプレクティック構造との関連についても考察を進める。 Sebastian Baader氏との共同研究である平面曲線の無限遠のリンクとカスプ特異点の間に張られる曲面の研究に関しては、この研究は超平面配置のトポロジーの組み合わせ的な記述にも繋がる研究でもあり、平面曲線全般に研究の枠組みを広げるための試金石にしたいと考えている。
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