Project/Area Number |
23K03119
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
小池 貴之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30784706)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 半正直線束 / 正則葉層構造 / レビ平坦超曲面 / 複素力学系 / 多重劣調和関数 |
Outline of Research at the Start |
直線束に対しての非消滅問題と呼ばれる難問の解決は,複素解析幾何学的観点に於ける複素多様体 (複素数により局所的にパラメータ付けられる幾何学的対象) の構造解明に直結する.そこで本研究では,非消滅問題の独自の観点からの解決を最終目標とした研究を行う. 私はこれまでの研究で,比較的弱い正値性条件が成立する直線束の研究を行ってきた.そこで私が新たに開発した独自の複素力学系的手法に, さらに新たに多重ポテンシャル論的議論を組み合わせることで,本研究では先行研究の問題点を打開する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は, 私がこれまでに培ってきた技術 (法線束が位相的に自明であるような複素超曲面に対し, その近傍でのある種の正則葉層構造の存在と, その超曲面が因子として定める直線束のある種の半正曲率性との間の関係に関する結果とその証明における複素力学系的・多重ポテンシャル論的技法)の複素幾何学的応用について研究を進めた. 具体的には, トロイダル群と呼ばれるある種の複素多様体上で知られていた, そのコホモロジー群とある種の直線束の力学系的・無理数論的性質との間の関係に着目し, その二次元における一般化を行うことに成功した. これは強い意味での擬凸性を持たないような開複素多様体のクラスにおけるコホモロジー群についてこれまで全く知られてこなかった側面を明らかにしたものであると同時に, 本研究計画における研究手法の有用性を実証し, 次年度以降の本研究推進への大きな足掛かりとなったものといえる. この研究成果は既にプレプリントの形で発表済みであり, いくつかの国内・国際研究集会で講演発表を行っている. また今年度は国際集会「Young Mathematicians Workshop on Several Complex Variables 2023」を韓国・釜山に於いて開催し, 当該分野における若手研究者(主に日本・中国・韓国の院生・ポスドク研究員及び若手研究者)との当該分野における研究協力関係の維持・構築・発展に寄与した. そこでは上記の私の最新の研究成果について参加者とディスカッションし, 関連する最新の研究情報の収集もできた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通りに, 本研究計画における研究手法の有用性を確かめることができたが, それだけではなく, 更にトロイダル群と呼ばれるある種の複素多様体上で知られていた, そのコホモロジー群とある種の直線束の力学系的・無理数論的性質との間の関係に着目し, その二次元における一般化を行うことに成功した. 今年度韓国・釜山に於いて開催した国際集会「Young Mathematicians Workshop on Several Complex Variables 2023」は, 例年日本・中国・韓国の院生・ポスドク研究員及び若手研究者を中心として, 当該分野における研究協力の促進のため行っているものであるが, 今年はコロナ禍以降初のほぼ完全対面での開催となった. それによる国際的研究協力関係の維持・構築・発展への寄与は大きく, またそれにより自身の上記研究成果に関して得られた最新の研究情報は非常に大きく, 来年度以降の更なる発展も期待できるため.
|
Strategy for Future Research Activity |
トロイダル群に於いて観察されていた結果 (そのコホモロジー群とある種の直線束の力学系的・無理数論的性質との間の関係) を今年度の研究により(2次元に於いてではあるが)強くは擬凸性を持たないある種の開複素多様体上に一般化することに成功したこと, 及び当該研究成果に関連して得られた最新の関連研究情報は今後の研究の大きな指針となった. 今後はこの研究成果により得られた新たな具体例における観察結果 (主に射影平面の9点爆発から楕円曲線を取り除いた補集合に関する結果) を深化させることを通じ, より一般の複素葉層構造に関して, 当該研究に於ける研究手法の有用性を一つ一つ丁寧に検証しつつ研究を進める. 同時に, 今年度に得られた中国・韓国の若手研究との研究協力関係の維持・発展に努めつつ, 今年度より打ち合わせを開始したフランス及びドイツの関連研究者との連携もより一層深めつつ, 国際的な最新の関連研究情報に常にアンテナをはりつつ, 将来的な当該研究成果の応用も模索してゆく.
|