Project/Area Number |
23K03120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
橋本 義規 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60836485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 標準計量 / Kaehler計量 / ケーラー多様体 / 標準ケーラー計量 / 幾何学的不変式論の意味での安定性 |
Outline of Research at the Start |
与えられた空間において,標準計量と呼ばれる「最良の」計量(距離を測る尺度)を求めることは微分幾何学的の問題として重要かつ長い歴史がある研究テーマである.複素代数多様体と呼ばれる空間は,微分幾何学的に様々な良い性質を持つ一方で,代数幾何学と呼ばれる代数的方法を用いて研究することもできるが,このような空間の上で標準計量の存在と代数幾何学的な安定性との間に深い関連があることが近年の研究により明らかになった.本研究計画の目標は,近年確立された新手法を用いて,様々な標準計量とそれに対応する安定性についての結果を得ることである.
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Outline of Annual Research Achievements |
大阪大学の藤田健人氏と議論する中で,coupled Kaehler-Einstein計量及び関連する安定性についての有意義な進展を得ることができた.この研究結果は次年度以降論文にまとめることを予定している.また,extremal計量に関する研究においても論文執筆を進めた.
当初研究計画で想定していた課題について得られた進展は,上で述べたように有意義ではあるもののまだ途中段階にあるが,本年度は当初想定していなかった研究課題で結果を出すことができた.本年度得られた結果として,冪零リー群上の左不変リッチソリトン(nilsoliton)についてのHilbert-Mumford基準がある.これは,本研究課題におけるエネルギー汎関数と非アルキメデス計量の関係を複素幾何以外の分野に応用したものである.より具体的には,冪零リー群上にいつnilsolitonが存在するか,という等質空間における重要な問題に対して,対応するリー環上にHilbert-Mumfordウェイトに類似した代数的不変量を定義し,そこから定まる安定性基準によりnilsolitonの存在が特徴づけられることを示した.この結果は,非コンパクト等質多様体のEinstein計量を研究するにあたって重要な問題であるnilsolitonの存在に関して知られていた先行研究結果を発展させ,その応用として凸集合を用いて定められるNikolayevskyによるnilsolitonの存在判定基準を一般のLie環に一般化するのみならず,nilsolitonの非存在に関して武富氏と田丸氏による予想の修正版を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
oupled Kaehler-Einstein計量やextremal計量に関する当初予定していた研究課題についてはまだ論文完成まで至っていないが,大阪大学の藤田健人氏の大きな貢献があり,非常に有意義な進展を得ることができた.
Nilsolitonに関する研究は当初研究計画になかったが,等質空間の専門家と議論を重ねるうちに本研究課題の中心テーマであるエネルギー汎関数と非アルキメデス計量が非常に有効的に活用できる問題であることに気づいたので,優先的に研究を行った.その証明において標準Kaehler計量の分野でよく知られていた手法を用いることができた点は興味深いと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
Coupled Kaehler-Einstein計量やextremal計量について,本年度得られた結果をまとめて公表することが目標である.また,nilsolitonに関する結果に関しては,申請者がこれまで研究してきた分野とは別分野の結果であるから,時間をかけて結果を広く知ってもらえるようセミナーや研究集会での発表機会を積極的に活用したいと考えている.また,今回nilsolitonに関する論文を執筆する中で等質空間に対する基礎事項を学習することができた.来年度以降は,複素幾何やKaehler計量といった申請者の以前からの専門分野にこだわらず,等質空間についての専門的知識を得て理解を深め,幅広い結果が出せるよう尽力したい.
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