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ランダム媒質中の確率過程に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23K03135
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 12010:Basic analysis-related
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

鈴木 由紀  慶應義塾大学, 医学部(日吉), 准教授 (30286645)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Keywords拡散過程 / ランダム媒質 / 自己相似過程
Outline of Research at the Start

ランダムに孔のあいたスポンジの中の液体の流れのような、ランダム媒質の中の粒子のランダムな運動(ランダム媒質の中の確率過程)に関する研究を行う。2つのランダムネスをもつこの過程の長時間後の漸近挙動が興味のある点である。多くの場合、ランダム媒質の中の確率過程は媒質がランダムでない場合のものに比べて動きが遅くなることが知られている。
本研究では、数直線の負側と正側に種類の異なる媒質をとり、そのランダム媒質の中を動く確率過程の長時間後の挙動について解析を行う。媒質が1種類の場合には起こらない現象を見出したい。

Outline of Annual Research Achievements

1次元ランダム媒質中の拡散過程について考察を行った。当該年度は、数直線の負側には狭義安定過程からなる媒質を、正側には何も媒質は無い場合を考え、その中を動く拡散過程(「片側ランダム媒質中の拡散過程」と呼ぶ)の長時間後の漸近挙動について考察を行った(高橋弘氏、田村要造氏との共同研究)。原点から出発するこの過程に対しブラウン運動を不変にする尺度変換を施し極限操作を行ったところ、その極限は、非負実数全体上の反射壁ブラウン運動になる場合と恒等的に原点に留まる過程になる場合があるという結果を得た。このことから、この過程は、ある確率で拡散的であり、残りの確率で劣拡散的であることがわかった。さらに、劣拡散的になる場合のこの過程のスピードは、数直線の正負両側ともに狭義安定過程からなる媒質をとった場合のその中を動く過程のスピードと同程度であることもわかった。
上の過程は、河津清氏、田中洋氏と筆者の共同研究(2001,2006)において考察した「片側ブラウン媒質中の拡散過程」の拡張になっているが、当該年度に行った研究の手法は以前の研究の手法とは異なる。以前の研究では、拡散過程の到達時刻を評価する手法を用いたが、当該年度の研究では、双一般化拡散過程の理論を用いた。小倉(1989)は、双一般化拡散過程の列に対する極限定理を示し、それを用いて両側ブラウン媒質中の拡散過程の解析を行っている。また、田中(1994)は、小倉の定理を改良し、それを用いて同過程についてさらに詳しい解析を行っている。しかしながら、本研究で扱った過程に対しては、小倉の定理も田中により改良された定理も適用することができない。そこで本研究では、彼らの定理をさらに改良し、定理の適用範囲を広げた。ここに本研究の重要性がある。この改良された定理を用いて「片側ランダム媒質中の拡散過程」の解析を行ったところに本研究の意義がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1次元ランダム媒質中の拡散過程の長時間後の漸近挙動を解析することが本研究の目的である。特に、数直線の負側と正側に種類の異なる媒質をとり、その中を動く拡散過程について考察し、数直線の正負両側に同一種類の媒質をとった場合には起こらない現象を見出すことを研究の主目的としている。当該年度は、数直線の負側にのみ自己相似ランダム媒質をとり、正側には何も媒質は無い場合について、その中を動く拡散過程の解析を行った(高橋弘氏、田村要造氏との共同研究)。その結果、この過程は、ある確率で拡散的であり、残りの確率で劣拡散的であることがわかった。これは媒質が1種類のみからなる場合には起こらない現象である。
この性質を示すにあたり、双一般化拡散過程の理論を用いる新しい手法を導入した。媒質が1種類のみの場合には起こらない現象を新しい手法を用いて見出すことができたため、「研究の目的」に対する当該年度までの進捗状況は、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

1次元ランダム媒質として、数直線の負側と正側に種類の異なる媒質をとり、その中を動く拡散過程の長時間後の漸近挙動を調べることが本研究の主目的である。筆者のこれまでの研究で扱ったランダム媒質は、どれも自己相似性をもつランダム媒質であった。今後は自己相似性をもたないランダム媒質の中を動く拡散過程について考察していきたい。具体的には、数直線の負側と正側それぞれに指数の異なる2つの自己相似過程の線形結合からなるランダム媒質をとり、その中を動く拡散過程の挙動について解析を行いたい。この媒質は自己相似性をもたず、従来の研究では扱われていないタイプの媒質である。この媒質の中を動く過程は、これまでに研究されているどの過程とも異なる性質をもつことが予想される。従来の過程にはない新しい性質を見出していきたい。この過程の解析には、両側ブラウン媒質(自己相似性をもつ)の中の拡散過程の解析に用いられたBrox(1986)の手法が有効であると思われる。自己相似性をもたないランダム媒質中の拡散過程に対しBrox型の結果が得られれば、従来にはない新しい型の結果となる。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Presentation (4 results) (of which Invited: 4 results)

  • [Presentation] 拡大または縮小されたランダム媒質中の拡散過程2024

    • Author(s)
      鈴木由紀
    • Organizer
      慶應確率論ワークショップ
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 数直線の負側にのみ自己相似過程からなるポテンシャルをもつ拡散過程2024

    • Author(s)
      鈴木由紀・高橋弘・田村要造
    • Organizer
      拡散過程セミナー@奈良女子大学
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 数直線の両側に種類の異なるランダムポテンシャルをもつ拡散過程2024

    • Author(s)
      鈴木由紀
    • Organizer
      拡散過程セミナー@奈良女子大学
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] Long-time behavior of stochastic processes in random environments2023

    • Author(s)
      鈴木由紀
    • Organizer
      Connections Workshop: Stochastic Processes and Related Fields
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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