Analysis of singularities of extremal Riemann surfaces and Klein surfaces in moduli spaces
Project/Area Number |
23K03138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 豪 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50319208)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 複素解析 / リーマン面 / クライン面 / モジュライ空間 / タイヒミュラー空間 |
Outline of Research at the Start |
閉リーマン面のモジュライ空間及び向き付け不可能な曲面である閉クライン面のモジュライ空間を関数の極値性から研究する。ここでは、各曲面にその最大単射半径を対応させる関数を用いる。この関数はタイヒミュラー空間上の関数として定義され、最大値を与える点である極値的リーマン面・クライン面はある種の特異点と考えられる。本研究では種数が2と3の場合にこの特異点の近傍を解析し、種数が高い場合にも応用する。これらを通してモジュライ空間の研究に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、極値的リーマン面と極値的クライン面がモジュライ空間の中でどのような特異点になっているかを最大単射半径関数を用いて研究することである。ここで最大単射半径関数とは、閉リーマン面(または閉クライン面)のモジュライ空間上で定義された関数であり、各閉リーマン面(または閉クライン面)に対して、その各点に定まる単射半径のうち、最大の単射半径を対応させる関数である。そして極値的リーマン面、極値的クライン面とは、最大単射半径関数が最大値を与える曲面である。本年度は、極値的リーマン面の近傍を調べるために、種数3の極値的クライン面の複素ダブルで得られる種数2の閉リーマン面の性質を研究した。この閉リーマン面がモジュライ空間の被覆空間であるタイヒミュラー空間の中でどれほど極値的リーマン面に近いかということを考察した。そのために、タイヒミュラー空間のモデルとして標準的双曲8角形から構成されるモデルを使用した。これは8角形にある3つの辺の長さと4つの対角線の長さを用いて7次元空間に埋め込むことにより大域座標を導入することができるため考察に都合がよい。これには種数2の閉リーマン面のワイエルシュトラス点の情報を有効に使用した。このモデルにおける2つの閉リーマン面の距離を測るためのこれまでに得た距離関数はモジュライ空間上の距離にならないため、改良をいくつか試みた。また、スペインの研究者と最大単射半径関数の性質及び1点穴あきトーラスのディリクレ基本領域についての研究打合せを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は国内外の研究集会や研究打合せで、複素解析やリーマン面の専門家らと大いに議論を行うことができた。研究遂行において大変有益であった。また、コンピュータを購入したことによる効果も大きい。進捗状況は次の通りである。1.種数3の極値的クラインの複素ダブルで得られた11種類の種数2の閉リーマン面に対して、その大域座標の計算をコンピュータで試みた。2.複素ダブルで得られた種数2の閉リーマン面に対応するフックス群の生成元とその間の関係式を、基本領域の辺の貼り合わせパターンから得ることができた。3.複素ダブルで得られた種数2の閉リーマン面に対応する代数方程式に残っている3つのパラメータが満たす3次元領域をコンピュータで描くことができた。4.1点穴あきトーラスのディリクレ基本領域の辺の貼り合わせパターンのいくつかを得ることができた。このように、進展した部分がいくつかあるため、進捗状況はおおむね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた研究成果を踏まえて、極値的リーマン面とクライン面の特異性について研究を着実に進めていく。特に、種数2の閉リーマン面のタイヒミュラー空間に作用する2つの写像類が生成する部分群を用いて、複素ダブルで得られた閉リーマン面の像を求め、極値的リーマン面との関連を考察する。これにはコンピュータを大いに活用していく。極値的リーマン面との比較に意味があると考えられる他の閉リーマン面の構成にも取り掛かる。また、1点穴あきトーラスのディリクレ基本領域の形についての研究はスペインの研究者と対面による研究打合せを重ねて継続していく。さまざまな研究者との議論を重ね、必要となる文献を随時購入して内容を深化させる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)