Quantum singularity and non-linear positive maps on operator algebras
Project/Area Number |
23K03151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
綿谷 安男 九州大学, 数理学研究院, 名誉教授 (00175077)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 量子特異点論 / 非線形正写像 / operator algebras / quantum singularity / non-linear positive maps |
Outline of Research at the Start |
「高次元の特異点集合をもつ力学系からC*-環を構成し、生成したC*-環から逆に特異点集合の「形」を見いだせるか?」有理関数Rの作る複素力学系から生成したC*-環の場合には、その特異点は有限個の分岐点になり、分岐点の情報がコア(ゲージ作用の固定環)のイデアルやトレースやKMS状態に反映していた。類似のことが折り目(folding)や燕の尾のような高次元の特異点集合でも成立するかを研究する。 「作用素環を量子化された空間とみなした時に、量子化された特異点論とは何か?」代数多様体では大域次元が有限になるということで特異点をもたないことが特徴づけられるので圏論を用いて特異点をもつ作用素環を規定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、C*-環やvon Neumann環とよばれる作用素環と、分岐点や尖点や折り目やツバメの尾のような特異点をもつ力学系という、全く異なる二つの分野の相互関連について研究している。また作用素環自身が特異点をもつことを、圏論を使って定式化して解析するという非可換特異点論も試みている。さらに作用素環の間の非線型正写像を使うという新しいアイデアを導入し、準同形写像を含む広い射を扱うことで解析の困難点の打破を試みている。 例えば有理関数Rの反復合成 (Rn)nのなす複素力学系は一般に分岐点という特異点を持つ。力学系から作用素環を構成する標準的な方法である接合積やgroupoid C*-環は、特異点のため局所位相同型性が崩れてしまい、そのままでは適用できない。以前の研究では分岐指数を利用してうまくヒルベルト双加群を経由してCuntz-Pimsner構成によって作用素環であるC*-環をつくることができた。今回の研究では分岐点だけではなく、折り目やツバメの尾のような高次元の特異点集合が出てくる場合を考察している。 今までの複素力学系での研究からほのかに垣間見えるように、分岐点や尖点や折り目やツバメの尾等の特異点集合のような幾何的特徴が、生成されたC*-環やそのコア(ゲージ作用による不動点環)のイデアルやK理論や平衡状態(KMS状態)やトレースの端点の状況に大きく反映してくるのではないかと予想している。 特にC*-環の間の非線型の正写像の具体例を含む種々のクラスを取り上げ、それを非線型の正写像の抽象的な性質で特徴づけることができるかを調べている。今年度は非線形トレースの研究を進めている。非加法的測度論におけるショケ積分や菅野積分に対応する非線形トレースの特徴付けを考えた上で非線形非可換積分論の構築を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「作用素環の間の非線型正写像を使うという新しいアイデアを導入し、準同形写像を含む広い射を扱うことで解析の困難点の打破を試みる。」という課題については非線形トレースの研究には進展があった。非加法的測度論におけるショケ積分や菅野積分に対応する非線形トレースの特徴付けやそれらによる非線形非可換L^p理論の構築を行なうことができた。コンパクト環上にショケ型や菅野型の非線形トレースを導入しそれらを部分的な加法性をもつ非線形トレースとして特徴づけることができた。またそれらによる非線形非可換L^p理論の構築の重要な性質である三角不等式をワイルの不等式のコンパクト環版を使うことで示す事ができたのが大きいことである。その証明に効いているのは非線形トレースの値のミニ・マックス型の特徴付けである。これらにより、コンパクト環上に新たなイデアルのクラスを明示的に構成できた。 「高次元の特異点集合をもつ力学系からC*-環を構成し、生成したC*-環から逆に特異点集合の「形」を見いだせるか?」という課題については、研究が進展中ではあるが、まだ結果を出すまでにはいたっていない。有理関数Rの作る複素力学系から生成したC*-環の場合には、その特異点は有限個の分岐点になり、分岐点の情報がコア(ゲージ作用の固定環)のイデアルやトレースやKMS状態に反映していた。類似のことが折り目(folding)や燕の尾のような高次元の特異点集合でも成立するかを研究していて、折り目の場合には、テント写像の直積から作られる特別な場合には類似のことが成立することがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
C*-環の間の非線型の正写像の具体例を含む種々のクラスを取り上げ、それを非線型の正写像の抽象的な性質で特徴づけることができるかを引き続き調べていくことにする。特に非線形トレースの研究をコンパクト環のようなI型から、II型の因子環の場合にまで拡張できないかを考えよう。II型の因子環の場合でも、非加法的測度論におけるショケ積分や菅野積分に対応する非線形トレースの特徴付けを考えた上で非線形非可換積分論の構築を試みてみたい。 高次元の特異点集合をもつ力学系からC*-環を構成し、生成したC*-環から逆に特異点集合の「形」を見いだせるか?という課題について、まだまだ困難な点が多いが、引き続き折り目(folding)や燕の尾のような高次元の特異点集合でも成立するかを研究していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)