Spectral theory of Schrodinger forms and Stochastic analysis for weighted Markov processes
Project/Area Number |
23K03152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
金 大弘 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50336202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑江 一洋 福岡大学, 理学部, 教授 (80243814)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | シュレディンガー形式 / 準エルゴード分布 / 大偏差原理 / 時間非斉次拡散過程 / 準定常分布 / ファインマン・カッツ汎関数 |
Outline of Research at the Start |
マルコフ過程の確率論的諸問題およびその応用への研究は、この分野における様々な関数解析学的理論の新展開を提供してきた。本研究では、ファインマン・カッツ変換やギルサノフ変換などで誘導される確率論的重みもつ対称マルコフ過程のスペクトル構造とその数学的諸性質を究明することで、シュレディンガー形式論やシュレディンガー作用素の確率的散乱理論といった申請者による近年の発展的な研究成果により明らかになった様々な重み付きマルコフ過程をめぐる確率論的諸問題およびその応用分野に関して、新しくより見通しの良い関数解析学的理論の新展開を構築する分野横断型研究の実施を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ファインマン・カッツ汎関数により重み付けられる半群に関する周辺問題とそのシュレーディンガー作用素について、関数解析的取り組みを手法とする以下の確率論的問題に関する研究成果を得た。
(1) 飛躍を含むファインマン・カッツ汎関数のゲージ理論を駆使して、一般化シュレディンガー作用素の熱核の安定性における最も一般的な枠組みでの判定条件、並びに同値条件などを究明した研究結果を得た。研究成果は Journal of the Mathematical Society of Japanにて出版された。(2) 飛躍を含むファインマン・カッツ半群に対する準定常分布と準エルゴード分布の構成方法を定式化して、その自然的な応用として考えられる飛躍型汎関数の時間平均に関する大偏差原理をより詳しいレート関数を用いて成立させることができた。更に、非有界かつ非連結な領域上の純飛躍型対称マルコフ過程が繰り返す飛躍の数に関する準エルゴード極限についても特徴づけることができたのは収穫だった。これらの研究成果は現在投稿中である。(3) 一般的な時間非斉次拡散過程に対する上限比率関数の特徴づけや判定条件、その大域的性質などを、時間非斉次拡散過程に対応する時間依存のディリクレ形式により定まる容量や熱核についての評価を用いて与えることができた。研究成果は Potential Analysis にて出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛躍を含む非局所型ファインマン・カッツ汎関数の重みをもつ対称マルコフ過程が示す特異的な確率論的性質の理解は、ディリクレ形式論やシュレディンガー形式論といった関数解析的取り組みなどの研究成果を土台にして進行させた一連の研究と上手く対応することが分かってきた。このことは特に今回のファイマン・カッツ半群における準エルゴード理論の構成から考えられる飛躍型汎関数の時間平均に関する大偏差原理の比率関数の表現からも伺える。以上のことで、ファインマン・カッツ汎関数を重みとしてもつ確率過程に対する新しくより見通しの良い解析学的理論展開を構築する当初の研究目標は一定部分達成できたように思える。特に、ファインマン・カッツ汎関数に付随されるシュレーディンガー作用素の臨界性理論が確立でき、様々な古典的最大値原理との関係が分かってきたことは、これからの関連問題を取り組む際の新しい突破口となるのではと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を土台にして、シュレディンガー作用素における様々な解析とその結果がもたらす確率論的立場からの意味について注意深く研究を進行していくとともに、特に、以下に示す問題を明らかに究明したいと考えている。
(1) 重み付き対称マルコフ過程のスペクトル構造解析とシュレディンガー形式の臨界理論 への応用。(2) 重み付きマルコフ過程における準エルゴード極限と偏差不等式。(3) 一般化ギルサノフ変換による確率測度の絶対連続性と相対エントロピーの関連性。(4) 重み付き拡散過程における比率関数の特徴付けとランダム環境内の大域的性質。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)