Project/Area Number |
23K03179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤嶋 陽平 静岡大学, 工学部, 准教授 (70632628)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 半線形熱方程式 / 準自己相似性 / 準前方自己相似解 / dilation-singularity / 可解性 / 時間大域解 / 爆発解 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,固体燃料の燃焼モデルなどの化学反応による発熱に伴う温度分布の変化を記述する半線形熱方程式の数学解析を行う.半線形熱方程式の解析では拡散項と非線形項の相互作用を示す自己相似性と呼ばれる方程式固有の構造が重要な役割を果たすが,これは一般に期待される性質ではない.そこで,準自己相似性という視点を導入することで,新たな解析手法の確立を目指す.準自己相似性に基づく解析を通して,一般の半線形熱方程式に対する可解性や解挙動などの重要な問題に挑む.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では半線形熱方程式の可解性について,拡散項と非線形項の相互作用に着目し,研究を行う.特に,自己相似性に代表される方程式固有の性質が果たす役割について解析し,一般の半線形熱方程式に対する可解性の理論を確立することが目的である.本研究を進める上で重要となるのが,一般の半線形熱方程式に対する準自己相似性である.これは非線形項の型に依らずに定まる方程式の性質であり,これを手がかりに特定の型に限らない半線形熱方程式の解析を行う. 初年度の研究では,これまで確立してきた解析手法を基に,半線形熱方程式の時間大域解に主に着目し,研究を進めた.特に,前方自己相似解と呼ばれる特殊解が,大域可解性を分類する重要な解であることは既存の研究により知られている.しかし,前方自己相似解は冪乗型および指数型といった特別な非線形方程式にのみ定まり,非線形項が一般の場合には大域可解性を特徴付ける解が不明であった.本研究では,方程式の準自己相似性に基づき,前方自己相似解の一般化(準前方自己相似解の導出)に成功した.準前方自己相似解を用いて,時間大域解と初期値の空間遠方での減衰の関係を導くことができた.これにより,一般の非線形性を有する方程式に対して,大域可解性を分類する初期値の臨界減衰を得ることができた. 一般の非線形熱方程式に対する時間局所可解性についての研究も進めた.特に,非線形性が強い場合に半線形熱方程式の可解性を分ける初期値の臨界特異性を導出することに成功した.その過程において dilation-singularity という概念を提唱した.非線形性が強い場合には許容される初期値の特異性が弱くなるため,その扱いが難しくなるが,新しい概念を導入することにより統一的に初期値の臨界特異性を扱うことができるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた準前方自己相似解と大域可解性の関係についての研究が進展し,学術論文として出版することができた.また,時間局所可解性についても初期値の臨界の特異性を導出することができた.本研究課題の主要な問いに対してそれぞれ進展があったため,おおむね順調に研究が進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の主要な問いは次の2つである. ・時間局所解と初期値の特異性の関係を明らかにする. ・時間大域可解性と初期値の空間減衰の関係を明らかにする. 上記の問いに対して初年度の時点で大きな進展があったため,今後の研究においては更に詳細な情報を明らかにしていきたいと考えている.特に,時間局所可解性については解の特異性が強く影響を及ぼすため,どのような特異性が拡散効果によって解消されるかを考える必要がある.そのためには特異性を保持する解が存在するかを調べる予定である.
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