Project/Area Number |
23K03213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
乙部 厳己 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (30334882)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | コーシー分布 / 不偏推定量 / 擬算術平均 / 分数階微分 |
Outline of Research at the Start |
統計モデルの構築には種々の確率分布が用いられ、推定の根拠は数学によって与えられる。しかし外れ値を含む統計モデルにおいてはしばしば数学的な困難が生じる。その典型例の一つはコーシー分布である。この研究ではコーシー分布を伴うモデルのパラメータ推定に対して数学的に厳密な基礎を確立することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
コーシー分布を仮定したときの標本からのパラメータを推定する推定量として、無数の不偏推定量からなる族を構成した。しかしながら、それらの中に有効推定量が存在するのか、存在しないならばその中でも最良のものはどれであるかを決定する問題が未解決であり、優先して取り組むべき問題である。 それを考察するために、擬算術平均の持つ一般的性質を明らかにすることが必要である。考えている不偏推定量は、-1 < p < 1 のパラメータによって支配される、冪関数が定める擬算術平均である。p = 0に相当する場合にはこれは幾何平均と呼ぶべき量であり、その性質はかなり明らかになっている。しかしながら、0 < p < 1の場合と -1 < p < 0の場合では全く挙動が異なることが明らかとなった。また、ほんのわずかでも虚的な摂動を加えると、負冪の側は-1 < pに全く限定されないこともわかった。これはコーシー分布の逆数対称性の観点からは不思議な性質といってよい。さらに、pに関して正則であり、pは複素数にまで自然に有理形に拡張される。 このように今年度においては、複素冪で定まる擬算術平均の関数としての挙動については多くのことが分かった。さらに複素冪については複素積率母関数の分数階微分であるとの立場に立った解析によっても複素冪擬算術平均について多くの性質を明らかとすることができた。さらに、それら分数冪積率の計算法から、分布の緊密性が導かれるかという問が自然に現れ、それらについても解決をみた。その証明法は複数見つかったが、共同研究者の岡村和樹によって提示された方法では、独立同分布なコーシー変数の無限の複製をとることできわめて明快にその事実が示された。この議論はコーシー分布の分数冪に関する積率評価を得るためにマルチンゲールの手法が有効であることを示唆しており、従来想定していなかった手法が有効に働く可能性があることを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画では、べき乗による擬算術平均で定まる不偏推定量の中から最良のものを決定することを目標としていた。残念ながら当年度においてはそれは不明のまま終わった。しかしながら冪を複素化し、さらにその実部が-1を下回る場合もあり得ることをはじめとして想定を超える数学的性質が明らかとなり、単に-1 < p < 1の範囲を考えるのでは決定できないという観点にいたった。すなわち、考えている問題はより深遠な複素解析的事実に基づいていることが明らかとなり、決定はできなかったものの、問題に対する理解はその決定しようとしていた事実よりもはるかに深まったといってもよい。さらに分数階微分による積率の計算法については当初考えていたよりも深く解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
複素冪擬算術平均で定まる不偏推定量の分散を決定、あるいは評価する問題は現時点では具体的な方策の目処が立っていない。しかしながらこれら不変量のパラメータに関する正則性及び分数階微分の方法は必ずそれらの導出に有意義であると信じている。さらに当該年度においてはこれらの量のマルチンゲール性も示唆される結果が導かれており、本年度における研究成果を基礎として、さらに研究を発展させる。
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