Local structure relaxation and non-equilibrium phase transition in dynamic facilitation of self-propelled complex molecular systems
Project/Area Number |
23K03246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
礒部 雅晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80359760)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 自己駆動複雑分子系 / 動的ファシリテーション / 非平衡相転移 / 局所構造緩和 / 分子動力学法 |
Outline of Research at the Start |
高密分子・ガラス系の「相転移」や遅い緩和に関する「神秘な物性」の解明は、近年、大きな難問の一つとなっている。一般に、液体を急冷(圧縮)すると分子配置が乱雑なまま、動きが凍結しガラス状態になる。ガラス転移点近傍では、大半の分子は凍結するが、稀に大きな変位をおこす「活動分子」が時空間的に不均一に発生し、協働運動(ファシリテーション)をすることが知られる。本研究では、自己駆動・複雑凸多面体を含めた、分子・粉体・ガラス・アクティブマター系で生じる「動的ファシリテーション」を統一的観点から研究遂行し、高密度複雑分子系の局所構造を解析する「新しい方法論」の革新により拓かれる未解決問題の解明をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
高密分子・ガラス系の「相転移」や遅い緩和に関する「神秘な物性」の解明は,近年,大きな難問の一つとなっている.一般に,液体を急冷(圧縮)すると分子配置が乱雑なまま,動きが凍結しガラス状態になる.ガラス転移点近傍では,大半の分子は凍結するが,稀に大きな変位をおこす「活動分子」が時空間的に不均一に発生し,協働運動(ファシリテーション)をすることが知られる.本研究では,自己駆動・複雑凸多面体を含めた,分子・粉体・ガラス・アクティブマター系で生じる「動的ファシリテーション」を統一的観点から研究遂行し,国際研究協力体制にて,高密度複雑分子系の局所構造を解析する「新しい方法論」の革新により拓かれる未解決問題の解明をめざす. 令和4年度は研究計画の1年目であり,以下の研究を遂行した. (I)「分子の局所構造解析」:高密度多成分剛体円板系を解析する高速高次近傍判定法2D SANNex法,高速自由体積計算(NELF-A)法を確立した(JCP,2024).応用例として,ジャミング構造の新しい計算法を開発した. (II)「平衡緩和」:剛体多面体系を解析する高速な方法論として(i)並進平衡緩和にNewtonian Event-Chainモンテカルロ法,(ii) 接触判定にXenoSweep法を導入し,高密度剛体多角粒子系の相図を作成した.粒子の異方性を考慮した新しい配向秩序変数を提案し各相の特徴づけを行った. (III)「構造ガラス系のファシリテーション」:ガラス転移点近傍「ひも状のホッピング連鎖」協働運動についてCavity駆動アンサンブルを確立し,待ち時間のべき乗則理論を検証した.またアクティブブラウン粒子流で生じる非自明な結晶・ガラス化現象の微視的機構を調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,代表者の過去の国際共同研究で得られた高密度剛体球系を解析する方法論 (i) イベント駆動アルゴリズム(EDMD:Isobe,Mol.Sim.,2016, ECMC:Krauthら,PRE,2009, NEC:Engelら,JCP,2019)、(ii) 剛体多角形同士を高速に接触判定するXenoSweep法(Engelら,JACS,2021) (iii) 分子の局所構造解析法(a)最近接粒子判定(SANN)法の高次近傍拡張、(b)多分散系へ適用可能な高速自由体積計算法(NELF-A法) を用い,自己駆動複雑分子系の動的ファシリテーションの解明のため,「フリージング」「フリーエナジー」「ファシリテーション」3つの概念を軸に研究を遂行している.進捗状況は以下のとおりである. (I)高密度多成分剛体円板系を解析する高速高次近傍判定法2D SANNex法,高速自由体積計算(NELF-A)法を確立し,原著論文(JCP, 2024)として公表した.また,応用例として,ジャミング構造計算法を開発し,国内外の学会で発表した. (II)剛体三角形系に着目し,方法論として(i)並進平衡緩和にNewtonian Event-Chainモンテカルロ法,(ii) 接触判定にXenoSweep法を導入し,相図を作成した.このとき,粒子形状の異方性を考慮し新しい配向秩序変数を提案し,各相の特徴づけを行った. (III)ガラス転移点近傍「ひも状のホッピング連鎖」協働運動の深層学習により予測したこのとき1粒子を取り除く,Cavity駆動アンサンブルを確立した. (IV)自己駆動粒子系に着目し,アクティブブラウン粒子流で生じる非自明な結晶・ガラス化現象の相図を作成し,微視的機構を調べた. 初年度は,国内外学会にて19件成果発表し活発に成果発表を行ったため,おおむね当初の計画通りに研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は以下の研究の推進方策により,研究を遂行する. (I)ガラス転移をめぐる論争解決のため,高密度系でのHopping鎖運動の動的ファシリテーションの解明を行う。本研究室で開発したNELF-A法を用いた自由体積において,ジャミング構造を求める方法論を確立する.また,コロイド一分子操作技術により実現可能となった1つの粒子を抜いた系をCavity駆動アンサンブルとしてブンシシミュレーションにて多数Hopping運動を生成し,等配置アンサンブルで定量化したHopping確率を深層学習(GNN -Deep Learning)で解析する. (II)自己駆動する凸多面体粒子系の遅い(回転)平衡緩和と相図作成,ならびにNEC法の並進イベント鎖に加え,回転イベント鎖の導入による緩和の高速化について国際共同研究を遂行する. (III)生物に代表される自己駆動素子の多体系で生じる巨視的運動と相変化は,Active Matterとして活発に研究が行われている.代表者らは,自己駆動粒子系で有名なVicsek モデルにおいて,質点を剛体円板としAlder相転移点シフトをEDMDにより調べた.またActive度の異なる異種混合Activeガラス系を考察し転移点シフト,アクティブブラウン粒子流の障害物まわりの流れと結晶化,ならびに粉体乱流との類似性(普遍性)を調べる. これらの得られた成果は原著論文にまとめ,国内外の学会で発表を行い,「非平衡相転移」の全容解明をめざす.
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Report
(1 results)
Research Products
(23 results)