Project/Area Number |
23K03256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 尚 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90431791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小串 典子 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任助教(常勤) (90565772)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 多種共存系 / 頑健性 / 可塑性 / 安定性 / 土壌微生物群集 / 大規模相互作用系 / 土壌微生物生態系 |
Outline of Research at the Start |
土壌微生物生態系における最新の大規模データについての準備研究から、この系が外乱に対して頑健性を示す側面と可塑的な応答を示す面とを持ち合わせており、またこれらの挙動を分離して解析できることが分かってきている。本研究では、この観測事実を基として研究代表者らが進めて来た多種が共存する系の複雑性-頑健性関係についての理論研究を発展させ、土壌微生物生態系の応答を理解することを目指す。またこれにより、より一般の大規模複雑な相互作用系の安定性や制御・設計原理に関する新しい視点を得る事を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、土壌微生物生態系から得られている観測データをはじめとした現実の多種共存生態系の普遍的な面に注目した解析とそれを参照とした理論研究により、多種共存系の頑健性と可塑性の両側面について の理解を検証し深化させることを目的としている。 このため、初年度となる本年度はまず、土壌微生物生態系の観測データについて再解析再検討を行った。これについては論文としてまとめて投稿を準備中である。このような現実データの知見とのより直接的な対照にあたってはポピュレーションダイナミクスモデルに立脚した方が有利である一方で、多種共存条件のメカニズムの明快性の点では研究代表者の島田と分担者の小串がこれまで進めてきた簡単な開放系グラフダイナミクスモデルの方が優位である。捨象のレベルの異なるこれら二つの理論的枠組みの橋渡しのため、一般化 Lotka-Volterra 方程式モデルにおいて開放系の性質を再考し国際共著論文として発表した他、グラフダイナミクスモデルにおいては相互作用に構造を入れた場合について解析を進めた。 また、土壌微生物生態系からのその知見をもとに種間の相互作用よりもむしろ種-資源の2部グラフ構造の重要性を認識し、これに対応するグラフモデルの性質についての予備的結果を得た(分担者小串)ほか、ポピュレーションダイナミクスモデルにおいてもこのような構造をもった設定から興味深いダイナミクスが得られることを発見した(島田)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、現実データの再解析を基にして、疎視化したグラフモデルに取り入れられるべき構造とその効果、およびポピュレーションダイナミクスモデルの構築について予期していなかったものまで含んだ成果を得ており、初年度の進捗としてはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に選られた上述の知見にもとづき、種-資源の2部グラフ構造に着目して研究を進める予定である。これについても本来の基本方針通り、実データの種-個体数分布やその変動と直接的に対照しやすい非線形ポピュレーションダイナミクスモデルと、より簡単なグラフダイナミクスモデルという二つのアプローチで理論解析を行なっていくことにより、現実の多種共存系の頑健性と可塑性の関係性についての理解につなげてゆく。
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