Application of the cluster nonequilibrium relaxation scheme (generalized to quantum systems and off-critical regions) to random systems
Project/Area Number |
23K03269
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
野々村 禎彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 主幹研究員 (30280936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 裕介 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50361663)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | 非平衡緩和 / 量子ランダム系 / 希釈スピン系 / 臨界現象 / スケーリング解析 / 非平衡緩和法 / ランダム系 / クラスター更新モンテカルロ法 / 量子相転移 / 温度スケーリング |
Outline of Research at the Start |
スピングラス系のレプリカ対称性の破れなど、一様系にはない特異な性質をランダム系は示すが、従来の平衡シミュレーションでは平衡化後の熱平均とランダムサンプル平均という二重の統計平均を取る必要があり、数値計算で扱えるサイズは限られていた。だが、ランダム系を非平衡緩和法の枠組で扱うとランダムサンプル平均が熱平均の役割を兼ね、二重の平均の困難は回避されて従来よりもはるかに大きな系が扱える。この本質的なメリットを生かして、ランダム系の未解決問題の数値的な解明を目指す研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は専ら、これまで研究に用いてきた計算コードのデバッグに伴う書き換えに費やされ、新規の研究成果はない。ただし、これまで発表してきた研究成果はこのバグの影響は受けないことは確認された。また新規計算コードは従来のものよりも構造が簡明で、今回のような特定不能のバグが混入する可能性は少ないと期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究は順調に進捗しているかに見えたが、従来用いていた計算コードにランダムネスを導入すると緩和時間が大幅に延び、それに応じた計算ステップを取ると、従来コードにはバグが含まれ、その時間スケールで初めてバグの影響が見えてくることがわかった。このバグの箇所を特定しようとしたが困難で、計算コードを一から書き直したが(バグはタイプミス的なものだと仮定して)不審な振舞は変わらず、開発言語をfortranからC++に変更して再び一から書き直したため(この計算コードはC++で書いた方が構造が単純になることはわかっている)。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定外の計算コード書き直しのため研究の進捗は遅れているが、それで研究課題が変わるわけではない。内外の研究者と競争する研究ではなく、長らく停滞していた課題を非平衡緩和法という新しい計算手法で解決しようとする研究だからである。ただし、必要な系のサイズがかなり大きいことが先行研究及び予備的研究で判明している量子希釈系よりも、ランダムダイマー系を先に研究する。続いて量子希釈系を研究する。まず一様系を希釈し、臨界現象の推定に必要な系のサイズを見積もる。次にダイマー化した系を希釈する。希釈しなくてもダイマー化の強さに応じてネール秩序相とダイマー相の量子相転移が起こり、我々もこの量子相転移を非平衡緩和法で調べている。ネール相に含まれる系を希釈しても定性的な振舞は一様系と変わらないが、ダイマー相に含まれる系を希釈すると、希釈で切れたダイマーボンドの片割れのスピンがネール秩序を形成する定性的に新しい振舞を示す。ただし先行研究では、この新規相の境界における臨界現象までは調べられておらず、この未解決問題を調べる。最後に、ランダムダイマー系を希釈する。ランダムダイマー系の臨界現象は一様ダイマー系の臨界現象とは普遍性が異なることが先行研究では指摘されているが、ダイマー相の希釈で生じる新規相の振舞が一様ダイマーの場合とランダムダイマーの場合で異なるのかどうかは、興味深い未解決問題である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)