Project/Area Number |
23K03340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡 俊彦 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (60344389)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 液晶 / 共連続相 / 位相問題 / X線構造解析 / 位相復元 |
Outline of Research at the Start |
液晶共連続キュービック相では回折法による測定が幅広く行われているが、電子密度を求めるためには「位相問題」を解決する必要がある。この問題を解決する手法は研究代表者により開発が進められているが、さらに進展させる。そしてこの手法を用いて、液晶共連続キュービック相について、電子密度から相中での分子配置までを調べることを目指す。また未解明の相構造やより高分解能での相構造を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
液晶の共連続キュービック(立方晶)相は、三次元周期構造を持つためX線回折測定が行われてきた。しかし回折法により得られるデータからは構造因子の位相情報が失われる。これは位相問題と呼ばれる。研究代表者はX線回折強度のみから電子密度復元を行うアルゴリズムを前年度に発表した。本年度はこのアルゴリズムに用いる指標の一つを新たに開発した。この指標は電子密度の高低の体積分率に相当するものである。この指標を事前に予想される試料分子の体積分率と比較することにより、体積分率が0.5から大きくずれる試料でも、総当たり法で正しい電子密度を回復できるようになった。これにより総当たり法で電子密度復元がやや難しかった系での問題が解決し、共連続キュービック相ではどのような系でも電子密度が求まると考えられる。 また液晶の共連続キュービック相以外への応用も進めている。これらの系は中心対称性がないため位相の制約が少なく電子密度の推定が難しい。これまでのところ、アルゴリズムの適用により電子密度が得られており、このアルゴリズムが適用可能と考えられる。実際に得られた電子密度は、近くの条件で現れる相と比較しても妥当であると考えられる。一方でこれまで提出されている経験的手法で得られたモデルなどとの乖離も大きい。今後検討していく予定である。 液晶共連続キュービック相試料の単結晶領域を作成することに成功し、高分解能データも得られた。今後解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルゴリズムの開発・改善に関しては、ほぼ完了したと考えている。今後はこの手法を適用した電子密度を復元できる系があることを示していく必要があると考え、共同研究もふくめて複数の系で適用を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
アルゴリズムの開発・改善に関しては、ほぼ完了したと考えている。今後はこの手法を適用した電子密度を復元できる系があることを示していく必要があると考えている。 一つは共連続キュービック(立方晶)相以外の液晶相への応用である。もう一つは高分解能データへの応用である。今後はこれらの適用可能な系を探しつつ、研究を進めていくことになる。
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