Project/Area Number |
23K03341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
藤橋 裕太 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任助教 (60852283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 量子もつれ光子対 / 時間分解分光計測 / 量子ダイナミクス / 光合成光捕集系 / 量子もつれ光 / 時間分解分光 |
Outline of Research at the Start |
超短パルスレーザーを用いた時間分解分光計測は、光合成タンパク質の量子ダイナミクスを理解するための有力な方法となっている。しかし、時間分解分光は、バルク試料を主に対象としており、個々のタンパク質内の励起ダイナミクスの違いに関する情報はアンサンブル平均化により取得できない。本研究は、量子もつれ光子を分光計測に適用することに着目し、レーザーなど古典光による時間分解分光では達成不可能な時間分解能と信号強度の同時向上を可能とするような量子もつれ光子の適用方法を理論的に見出す。既存の蛍光検出ベースの一分子計測では難しい光合成タンパク質内の電荷分離を実時間観測できる量子分光の理論基盤の確立に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目標は、レーザーなど古典光による時間分解分光では達成不可能な時間分解能と信号強度の同時向上を可能とするような量子光の適用方法を理論的に見出すことである。そのため、本年は、2モード真空スクイーズド状態を光源として時間分解分光計測が可能であるかどうかを理論的に検討した 。本研究の成果として、もつれ時間が分子系のダイナミクスの時間スケールに比べて十分短い場合であれば、2モード真空スクイーズド状態を用いて時間分解スペクトルの情報を取得できることを理論的に示すことができた。 また、もつれ光子対の二光子同時計数に基づく時間分解分光計測の可能性を検討した。時間分解分光法は、複雑分子系の動的過程を研究できる強力な実験手法の一つである。しかし、光合成光捕獲タンパク質のように多くの色素分子を含む分子系では、複数の非線形光学的寄与が存在するため、スペクトルが複雑となり、解釈が困難となることがある。この問題を解決するため、量子もつれ光子対の二光子同時計数に基づく時間分解分光法を理論的に提案した。解析の結果、もつれ光子対の二光子計数検出を利用することで特定の非線形光学的寄与を選択的に除去できることを理論的に明らかにした。この選択的除去は古典的なコヒーレント光では実現できず、光の非古典的相関がもたらす有用性を理論的に示した。提案する分光法は、光合成光捕獲タンパク質などの複雑分子系におけるスペクトルの解釈を単純化するのに役立つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画として研究計画調書に記載されたとおり、ポンプ光強度が強いPDC過程(2モード真空スクイーズド状態)について定量的に記述できる時間分解量子もつれ分光理論を開発した。この研究成果について論文を出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書に記載のとおり、令和6年度は「量子分光におけるポンプ光強度と時間分解能のトレードオフの解析」について引き続き理論研究を進める。具体的には、令和5年度に開発した2モード真空スクイーズド状態による時間分解量子もつれ分光理論をもつれ時間が有限の場合も記述できるように一般化し、様々なパラメータ条件で時間分解スペクトルの数値解析を行うことでポンプ光強度と時間分解能のトレードオフ関係を明らかにする。
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