Project/Area Number |
23K03357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
東郷 広一 福井大学, 工学部, 班長 (80726589)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | タングステン / TEM内引張「その場」観察法 / 障害物強度因子 / 照射硬化 / キャビティ / 温度依存性 |
Outline of Research at the Start |
核融合炉のダイバータ候補材であるタングステン(W)は、照射欠陥発生に伴う脆性破壊が懸念されており、結晶方位(転位のすべり面)毎で脆化に繋がる硬化が異なる特徴を持つ。 本研究では照射欠陥発生に伴う結晶粒内・粒界部での脆性破壊(照射脆化)メカニズムを解明することを目的として、W中にキャビティ(照射欠陥)を生成するヘリウム(He)イオン照射を行う。その後、室温、高温下での透過型電子顕微鏡(TEM)内引張「その場」観察法、ナノインデンテーション硬さ試験、ビッカース硬さ試験により、温度の違いが転位挙動や障害物強度因子(硬化の度合い)へ与える影響、並びに結晶粒内・粒界の強度変化に与える影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
核融合炉用ダイバータ候補材であるタングステンには、中性子照射に伴い、照射脆化(照射硬化)の原因となるキャビティや転位ループなどの照射欠陥が発生する。本研究では中性子環境下におけるダイバータ材の高寿命化を目指し、タングステンにおける照射硬化の温度依存性を結晶粒内・粒界部などの微細組織における材料硬化メカニズム(照射脆化メカニズム)の観点から解明することを目的とした。中性子照射同様、放射化せずにタングステン中にキャビティを生成することができるヘリウムイオン照射を行い、引張試験に伴い発生する転位(原子のズレ)とキャビティの相互作用から求められる硬化の度合い(障害物強度因子)や結晶粒内・粒界部の硬さ・強度が、温度や照射欠陥発生の有無にどのように影響を受けるかを明らかにする。 今年度は障害物強度因子の温度依存性を調べるため、純タングステン試料にキャビティ(2nmサイズ)を発生させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)内引張「その場」観察法を用いて、700℃の温度環境下におけるキャビティの障害物強度因子を調べた。700℃での障害物強度因子の値は、今までに実験を行った室温、450℃のものより小さな値を示しており、障害物強度因子の温度依存性が確認された。また室温にて認められた障害物強度因子の結晶方位(転位のすべり面)依存性は、700℃では450℃と同様、確認することができなかった。 次年度は、タングステン中により大きなキャビティ(3、4nmサイズ)を発生させ、障害物強度因子のキャビティサイズ依存性を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TEM内引張「その場」観察法を用いて、高温環境下(700℃)でのタングステンにおけるキャビティ(2nmサイズ)の障害物強度因子の定量化、並びに温度依存性を確認することができた。温度の違いに伴う材料硬化の変化を、微視的領域における転位とキャビティの相互作用(材料硬化メカニズム)の観点から評価することができ、今年度の目標をおおむね達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はタングステン中により大きなキャビティ(3、4nmサイズ)を発生させ、室温環境下でのTEM内引張「その場」観察を行い、障害物強度因子のキャビティサイズ依存性を調べる。併せて、温度やヘリウムイオン照射に伴うタングステンの硬化量の変化も調べるため、高温環境下でのナノインデンテーション硬さ試験やビッカース硬さ試験についての準備・検討も行っていく。
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