Project/Area Number |
23K03361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
川染 勇人 香川高等専門学校, 情報工学科, 教授 (90391325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 愼一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (00343294)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 輻射捕獲 / 真空紫外分光 / ヘリウムアークジェットプラズマ / Heアークジェットプラズマ / 真空紫外分光計測 |
Outline of Research at the Start |
高密度プラズマでは輻射された光がプラズマ内外のイオンや原子で再吸収される輻射捕獲が重要となり、光学的に厚くなると呼ばれる。そのため、本来は外部に放出されるエネルギーがプラズマ内部に蓄積されることによりプラズマ状態やエネルギー輸送に大きな影響を与える。本研究では、輻射捕獲を支配する共鳴線の吸収係数を高精度で評価する新しい手法の開発に挑戦する。すなわち、共鳴線と禁制線の強度比を用いた吸収係数評価方の確立を目指す。そして、その知見を取り得れた高密度プラズマと高ガス圧力領域での実効的な吸収係数とを組み合わせて、発光体から分光器までの測定系全体の吸収係数を評価できるシミュレーンコードを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
原子やイオンからの発光は、電子がエネルギーの高い状態から低い状態へ遷移する際に成される。この課程の逆の課程、すなわち、光を原子やイオンの電子が吸収してエネルギーの低い状態から高い状態へ遷移する課程を光吸収という。通常は、光吸収の量は、少ないため実験において考慮する必要はないが、原子やイオンの密度が高い場合は、その量を実験結果の評価に織り込まなければならない。 これまでの研究では、ヘリウムプラズマ中での光吸収についての議論が盛んになされてきた。しかしながら我々の研究チームの実験結果から光が伝搬して分光器によって測定されるまでの伝播中に、光がヘリウム原子によって吸収されている事が分かった。したがって、輻射捕獲を定量的に評価するために、プラズマ外の周辺領域での光吸収を正確に評価することが挙げられる。 令和5年度(2023年度)は、光がプラズマから分光器入射スリットまで伝搬する距離(以下、視線長という)と中性ヘリウム原子の密度との関係が、スペクトル線強度にどのように影響を及ぼすかを調べた。測定される光の波長は、真空紫外領域に分類されるため、スペクトル線強度の絶対値を評価することは一般的に難しい。そこで、測定系固有の校正係数の影響を除くため、測定値の相対強度を評価対象とした。視線長を正確に評価するには、中性ヘリウム原子が存在する所と存在しない所とを実験的に明らかにする必要がある。そこで、本研究では、アルミニウムフィルターと単管を組み合わせて、視線上に、中性ヘリウム原子が存在しない領域を確保することに成功した。それにより当初の目標である測定結果を得ることができた。また、新たな課題としてアルミニウムフィルターの酸化に対する対策の必要性および視線上での中性ヘリウム原子の温度密度の空間分布がスペクトル線強度に影響を及ぼしていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、真空容器内に満たされた中性ヘリウムガスの密度および分光器の視線長と測定されたスペクトル線強度との関係を調べることを目標とした。視線長を確定するためにアルミニウム膜を用いて、圧力的に隔離した視線領域を確保した。この装置は、放電中でも真空容器を大気開放する必要なく、アクチュエーターにより視線長を変更できるようにしてある。これにより、目標に対する初期結果を得ることができた。同時に、本研究で提案した手法が有効であることが示された。研究計画における年度計画を概ね実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に浮かび上がった問題として、アルミニウム膜の酸化による透過率の減少がある。次年度は、この問題を改善するために、実験の実施方法およびマシンタイムの設定を適切なものにして実験を行う。また、視線上の中性ヘリウム原子の温度密度の空間分布が、スペクトル線強度に与える影響を数値計算により評価する。加えて、研究計画の年度計画を実施する。
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